バンブー教室:バンブーだより9月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-2
2026年9月24日
2、「不安・無気力」で不登校になるお子様と学力との関係
文科省の統計において不登校の理由として挙げられている「不安・無気力」は、授業について行けないことから生まれる学習無気力が大きな要因で、嫌なことから逃避してしまう習慣に繋がり、不登校に至ってしまうケースが多く見られます。特に、学校行事が多く、宿題や提出物等の課題のハードルが上がるこの時期は、そのきっかけになるには十分すぎる条件がそろっています。そして、心にゆとりのない時期だからこそ、少しの人間関係のトラブルやからかいにも敏感に反応して、情緒の混乱を招き、不登校に至るケースも少なくありません。
バンブー教室で学ばれているお子様を考えると、椅子にちゃんと座れずに絶えず横向きに足が机からはみ出して、おしゃべりが止まらず、貧乏ゆすりが多く、継続して先生の話を聞くことや課題に集中して取り組むことが苦手なため、結果的に授業妨害になってしまっているお子様が多いのではないかと思っています。このようなお子様は、まわりからは「落ち着きがない子」「勉強ができない子」とレッテルを張られがちで、当然先生からも注意される対象になっているので徐々にクラスメートからも浮いたような存在になり、クラスに居場所がなくなっているような疎外感を感じてしまうことがあるのではないでしょうか。「不安・無気力感」に苛まれ、自分でも無意識に学校に行くことが辛くなってしまうことも考えられます。
「落ち着きがない子」と言われるような一般にADHDの傾向がみられるお子様は、このような特徴が見られ、他のお子様に比べてかなり活動的でもあるので、思ったことをそのまま口にして授業中に先生の説明を遮ってしまったり、クラスメートの発言を中断させてしまったりして、授業の進行の妨げになっていることが多くあり、それさえ自分では気づけないお子様が多いのです。また、気持ちが持続できずに学習課題に集中しなければいけない場面で別のことに気がとられてしまい、授業とは無関係なことに取り組みだしてしまうような問題行動の多さも良く見受けられる光景です。
このような傾向のお子様に見られる共通した課題は、抑制する力が弱いと言うことです。抑制とは不適切な行動を控え、発言をコントロールする能力です。これには、ワーキングメモリの弱さも関係していると言われ、行動を抑制するために自分で注意を払わなくてはいけない課題を忘れてしまい、すべき行動を見失ってしまいます。それによって注意されることは十分承知している問題行動を繰り返してしまうのです。また、やるべき行動の優先順位をつけられないことも特性であるので、やらなくてもいい行動をやるべき行動よりも優先してしまい、結果的に同じ失敗を繰り返す結果になることもあるでしょう。
「お勉強ができない子」は、ワーキングメモリと言われる学習の基礎となる情報を処理するための能力である認知的スキルが問題になって、学習でのつまずきを生じているケースが考えられるのです。
授業に参加することは「読む」「書く」「聞く」の能力を必要とされています。教科書の文字を読む、黒板の板書を書き写す、先生の説明を聞く、このような学校で学習するための授業では、必ず必要とされる能力です。知的なつまずきがないのに「読む」ことに時間がかかる、書いてある内容がよくわからない、「板書を書きとる」ことに時間がかかる、何度見返しても間違いが多い、「説明を聞く」のに聞き漏らしが多い、頭に話の内容が入らない人の多くは、言語のワーキングメモリや視空間のワーキングメモリが弱く、その処理に困難さが生じている人たちです。このような困難さがあれば、集中力に影響があり、授業に参加することが難しくなります。挙手を求められても答えが思い浮かばないでしょう。指されてもすぐに返事もできない人が多いでしょう。やがては、授業に出ることさえ負担になるでしょう。
漢字の暗記や国語の文章読解、計算、算数、数学の文章題、英語のヒアリングに至るまでワーキングメモリを使わずに学習することはありません。ワーキングメモリは「脳のメモ帳」と言った考え方があります。この能力は、学習に取り組むための順番を取り決めたり、取り組みやすいプロセスを考えたり、今まで覚えた知識や処理するパターンを重なり合わせて、頭で問題の解法を思い浮かべたり、立式するのに役立ちます。また、ADHDの特性である気が逸れてしまって、勉強に集中しなければいけない時にもワーキングメモリは重要な役割を担います。
宿題などは、ワークシートや宿題のプリントに解答を記述しなければなりません。また、問題が書かれた文章をどの教科でも読んで理解する必要があります。その際にワーキングメモリを必要とします。そして、導き出した解答を問題集やノート、プリントに書き込む作業を必要とします。潜在的に持っている発達の偏りから生じる凸凹は、彼らの学習意欲や自己肯定感にも密接に関係しているので、今まで学習するために置かれた環境がマッチせずに彼らの特性に負荷をかける結果になってしまうとADHDの特性である「不注意性」や「投げやりな態度」「集中力の無さ」を余計引き出してしまうことになり、学習に取り組むことを阻害してしまう結果になるでしょう。そして、自分からも勉強ができない劣等感が強くなり、学習意欲が減退します。そして、クラスに居場所が感じられなくなってくる気持ちが芽生えてくるのです。このように、不登校に至るお子様は、単に「学力不振」「提出物が出せない」といった要因よりも、このようなきっかけのほうが「不安・無気力」になってしまうケースが多いと思います。バンブー教室の在籍生の面談で、学校に行きたくないと行き渋りがはじまったお子様や、学校のいじめ、先生との関係などの相談を受けるケースがあります。そのようなお子様は、不眠や過呼吸など精神的な不安が体に表れている人もいます。また、不安が大きくなり、情緒が混乱して家や学校でパニックになったり、家庭で暴れたりしてしまっている人もいます。このようなケースを抱えているお子様は、不登校になっているまたは、なりかけているお子様方がほとんどです。少しでもお子様の不安を感じたらご相談ください。自然学園では、バンブー教室の在籍生徒も含め、不登校相談やWISC-5の検査を実施しています。お気軽にご相談ください。





