中学部:中学部通信4月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-4
2025年4月23日
3,フリースクールとは
フリースクールが不登校を経験している中学生や高校生のもう一つの学び舎や居場所として、少しずつ知られるようになったのは、1990年代になってからぐらいではないかと記憶しています。平成4年(1992年)に文部省(当時)が学校に行かない生徒の居場所を認めるようになり、全国でフリースクールの利用者が増加したことにより、フリースクールの認知度も高くなってきました。
それ以降、不登校児童生徒の中には、教育支援センター(適応指導教室)や様々なスタイルのフリースクールなどで学校外の施設において相談・指導を受けている児童生徒がいるので、このような児童生徒の努力を学校として適切に評価し、学校復帰などの社会的自立を支援するため、小・中学生で不登校児童生徒が学校外の機関で指導等を受ける場合について、一定要件を満たすとき校長は指導要録上「出席扱い」にできる取り組みがはじめられました。
また、指導要録上「出席扱い」となった児童生徒の経済的負担を軽減するため、学校外の施設に通所する場合、交通事業者の理解と協力の下に、通学定期乗車券制度(いわゆる「学割」)の適用を受けることができることとなりました。
一定の条件を満たすことの具体的な基準がいまひとつ曖昧で、どうしても生徒を受け入れた実績があるフリースクールに一日の長があった気がします。そのような点でも自然学園中学部は、いままで多くの卒業生を輩出しています。特別支援教育では、支援学級の先生などを中心に認知度は高くなっていると思います。
今では、小、中、高等学校の学年の中で最も不登校が多いのが、中学校1年生なのです。中1ギャップと言われている現象も中学校の環境に適応できない特性を持っている中学部のお子様方が直面してしまう悩みだと思います。中学1年生だから不登校になりやすいのではなく、小学生から休みがちな不登校傾向の生徒が中学校に入学して、その状況が顕在化するのではないかと、現在では言われるようになりました。
「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」「いじめを除く友人をめぐる問題」は、小学校に比較して委員会や部活動、放課後の習い事や塾などのイレギュラーな人間関係に起因していると言われています。また、「学力不振」や「提出物を出せない」等の理由は、学力考査や試験前の教科書ワークの課題提出に起因していると言われています。
中学部卒業後の特別支援教育を必要としている子どもたちの進路の状況を、毎年6月に「発達につまずきがある子どもたちの高校進学」をテーマとして、定時制高校、通信制高校や特別支援学校職業科(単独校)も含めた進路に関してのご説明を予定しています。今年は6月14日の土曜日に実施します。ぜひ在籍生徒の保護者の皆様はご参加ください。
(※コラムに掲載されたものを一部抜粋しております。)