中学部:中学部通信5月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-4

2025年5月31日

4,中学部進路説明会について

『不登校や特別支援教育を必要としている子どもたちの高校進学』

 

不登校を経験していて、しばらく勉強から遠ざかっている人たちや        特別支援教育を必要として通級を利用としている人たち、ADHDやLDの診断を受け、知的な遅れが少なく、特別支援学級に通っている人たちの多くは、通信制高校に通う現状があります。また、通常級に通いながらも、学力不振や人間関係のトラブルで悩んだことのある人たちが、公立や私立の高校受験を経て合格し、全日制高校に通っているケースが多くなりました。

しかし、高等学校における令和5年の不登校の生徒数は68,770人(前年60,575人)であり、前年度から8,195人の増加で過去最多になっています。ただ、増加率は前年度より若干低くなっています。(令和4年度18.8%から令和5年度13.5%)

高校における中途退学者は46,238人であり(前年度43,401人)、平成25年以降の通信制高校の生徒数増加に伴い減少傾向でしたが、令和2年を境に増加傾向を示しています。増加の背景として、高等学校進学やクラス替え等に伴う不適応の増加、コロナ禍の影響による登校意欲の低下などが考えられています。中途退学率は1.5%(前年度1.4 %)で 中途退学の主な理由として、進路変更によるものが最も多く、19,087人(前年度19,055人)となっており、割合は41.3%(前年度43.9 %)となっています。不登校になった生徒の大半は高校中退になっていると考えられます。そして、その多くは通信制高校に転編入していることが現状です。通信制高校の在籍で抑えられていた退学者の数が、現在はまた増加の傾向をたどっている状況を、この統計は示しています。

ただ、通信制高校に入学しても退学してしまう生徒もいます。その理由は、なぜなのでしょうか。それは、通信制高校と言ってもいろいろなタイプの高校があるからです。そうであるならば、これからは通信制高校の進学における学校選びがいかに大切になるかがお分かりになると思います。

通信制高校は、本来自学自習を基本とした学習で高等学校卒業の単位(3年以上在籍で74単位以上)が認定される高等課程ですが、現在は不登校を経験している人たちや特別支援教育を必要として通級を利用している人たち、知的な遅れが少ない特別支援学級に通っている人たちなどが進学を希望しています。このような人たちのニーズに合わせた様々な通信制高校が存在しています。通信機器を利用した在宅型の通信制高校や少人数での授業を主体とする登校型の通信制高校、個別の指導塾のように1対1の指導で授業を受ける個別指導登校型の通信制高校などが主流です。ともに3年間での高校卒業の取得が可能です。

少人数での授業を主体とする登校型の通信制高校で広域制の認可を取っているところは、全国の都道府県に渡り、学習センターなどの教育連携施設を展開しています。このような学習センターでも学校教育法第51条にもとづく技能連携施設に各自治体の教育委員会から認可を取っている学習センターとそうでない学習センターがあります。そうでない学習センターはサポート校と同様になります。サポート校の場合はサポート校での学力考査やスクーリングはサポート校での実施は単位の認定にはなりません。通学定期券も対象外になります。

そのように通信制高校の学習方法やスクーリングやレポート指導を受ける場所によっても通信制高校のタイプはさまざまなのでそのお子様の状況や特性、高校卒業後の進路などを考慮したうえで最もお子様に適した通信制高校を選ぶ必要があると思います。SNSの検索やガイドブックなどでは得られない情報を発信させていただくことを今回の説明会の趣旨にしています。

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