中学部:中学部通信8月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-7(1)

2026年8月14日

7,国語の読解が苦手な人のための夏期講習の講座(読解メソッド探求クラス)

文章の文字や記号などは目で追うことができ音読はできるものの、文章を読んで内容を理解することが苦手な人もいます。このような人は、視覚から認知したことばを音韻に変換して処理する能力を必要とするため、聴覚からの処理と同様に言語的ワーキングメモリの弱さに繋がります。文章を読みながらセンテンスが変わってしまうと、前に書かれている内容を保持することができないため、長い文章になるほど書かれている内容全体の理解に結び付かないのです。このような理由で、主人公の気持ちの移り変わりや登場人物と主人公の関係性などを読み取ることに困難さをきたします。

国語の読解問題から設問に該当する一文を抜き出すような解答では、文章の中で見つけることができても、設題の答えを文字制限の字数内でまとめ、書き出すことに非常な困難さを生じてしまいます。全体の構成から優先順を付けながら消去法で回答箇所を絞り込み、条件に応じた字数内で作文する能力は流動性推理を必要とする能力です。相手の気持ちを汲み取りながら人前で自分の気持ちを表現することも、同様の能力が必要になると考えます。この能力もワーキングメモリが関係していて、頭に思い浮かんだ答えとなる文章のポイントを保持しながら、整理してひとつのセンテンスにまとめる作業は、言語的なワーキングメモリが関係する処理能力に起因しています。ワーキングメモリは、頭の中のメモ帳と言われていて情報を認知するための短期記憶であり、その記憶を保持して処理し行動を実行するための大きな役割を果たします。

文章読解は、文章を読んで、短い段落ごとに書かれている事柄を把握し、その関係性から文章構成を理解する練習が必要になります。物語文なら主人公の気持ちの移り変わりや登場人物との関係性、登場人物の社会的な立ち位置やその役割、性格を理解することが重要です。また、過去の出来事などの内容は、時制を踏まえて整理しながら読み進めることが求められてきます。論説文なら、文章を読んで筆者の考えを文章に用いた意図する言葉の意味と文脈とを重なりを合わせながら段落ごとに読み解き、文章全体の構成や序論・本論・結論などの文章の構成を読み解くことが求められていきます。

文章読解は語彙力の少なさに加えて、視空間ワーキングメモリの弱さより言語領域のワーキングメモリが極端に低いことが苦手さの要因として考えられます。漢字のかたちや語彙の文字を視覚から判断する能力より漢字や語彙の音やその意味の理解が弱いことで文章に意味がとらえきれず、文脈が読み取れないことがあると思います。その場合は漢字に読み仮名を明記し、語彙の意味カードを文章のそばに携えながら読み進めることが必要になるでしょう。また、物語文ならば、先に話した主人公の気持ちの変化を時制や段落ごとにまとめ、登場人物との関係性や登場人物の社会的な立ち位置やその役割、性格、過去の出来事などの内容を整理したワークシートを作成することが重要になります。

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