中学部:中学部通信8月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-8
2026年8月15日
8,おわりに
中学部在籍を重ねる中で、生徒の皆さんも人間関係が自然に構築できて、クラスの中での生活に苦痛なく、毎日楽しく学校生活を送っているように私には思います。
しかしながら、人間関係がうまくいくともうひとつ踏み込んだ友人関係を要求されるため、距離感や人間関係のタイミングなどをうまく測れない人たちは、時折トラブルを起こしてしまう傾向があります。そして、今まで培った誤学習から自分を同情してもらいたい、自分の気持ちをわかってほしい、複数の人間関係から1対1の関係を求めて、その関係においては唯一無二の存在でないと我慢できない人が多いように思います。友人関係でも、異性との関係でも自分だけを見てくれないとだめなのです。その感情が抑制できないため、問題行動をわざと起こし、注目を相手から受けようとします。そのようなことをすればするほど、人の気持ちは離れていきます。彼らには、そのことがわからないのです。
一度精神的に不安定になるとなかなか精神的に回復できないのも彼らの特性の一つです。入学者の中には、小学校時代から不登校が続いていた生徒もいます。
その生徒は入学した時より明らかに登校日数が増えていて、週1回休むか休まないかになってきています。朝どうしても起きられず遅れてくる日は時折あるものの、驚くぐらいの回復力を見せています。
ほとんどの生徒の皆さんは、小学校在学中に不登校やいじめを経験しています。そのことが継続することによって強迫性障害や統合失調症傾向、拒食過食などの二次的な情緒の混乱に悩んで医療機関に通院している人も少なくありません。学力面での問題に起因する場合もありますが、人間関係のつまずきに起因するケースが非常に多くなっています。最近の高等部の在籍生徒の実例で言うとSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のやり取りの中でトラブルを起こしてしまうケースを多く聞くようになりました。
最終的には、社会参加することが中学部の生徒の皆さんにおいて大きな課題となります。その課題を乗り越えるには、人との関係性の克服であり、コミュニケーションも含めたソーシャルスキルの獲得に集約されてきます。
自然学園に在籍している生徒の皆さんの中には、言語性が低く自分の気持ちをうまく相手に伝えられない特性を持っている人たちが多くいます。コミュニケーションに関しても、一方的で自分の主張や言いたいことに終始して相手の気持ちは理解しようとしないことも特徴の一つだと言えるでしょう。
自然学園学園長 小林 浩





