大学部:大学部通信 新学期特集号-1(1)

2026年9月12日

1,はじめに(高等学校における特別支援教育の必要性とその現状)

欠席日数が受験に大きく影響していた私立高校や出席日数が評定基準に含まれた内申書が公立高校入試の合否に影響があった1990年代から書類審査の手続きで入学できる通信制学校の在籍数が増加しました。1990年代は「登校拒否」と言うことばが「不登校」への呼称変更や不登校数が急増し(10万人を突破)、社会問題になった大きな転換期でもありました。

高等学校は全日制、定時制と通信制という課程があり通信制高校に関しては1961年に学校教育法の一部が改正され、高等学校の課程として位置づけられました。文部科学省の2025年学校基本調査によると在籍生徒数は30万5221人で過去最高を更新しています。高校生の約10人に一人は通信制高校で学んでいます。少子化で全日制課程の生徒数が減少する中で不登校や通常級で特別支援教育を必要とする生徒、特別支援級に在籍するSLD(限局性学習症)やADHD(注意欠如多動症)がある普通教育を必要としている生徒の受け入れ皿になっています。また芸能やスポーツ活動との両立、ICTを活用した柔軟な学びが可能なことから10年連続で上昇しています。令和7年度の調査では通信制高校の入学者のうち、中学校3年生で不登校だった生徒が44,461人で入学者の57%を占めています。

普通学級で特別支援教育を必要としている子どもたちが全国で約8.8%いると言われています。この統計は診断名ではなく教員が判断した、特別支援を必要としている子どもたちの基準です。そして、そのような子どもたちは医療機関に診察を受けても診断名がつかない子どもたちが非常に多くなっているとのことです。2006年に文科省が発表した学校実態調査によると小中学校の通常級で神経発達症(発達障害)とみられる児童生徒の数は全国で約7,000人。6,5%の生徒に該当します。2019年で約70,000人になり2022年の12月の文科省の調査の発表では約90,000人で8,8%と急増しています。2025年に文科省が公表した資料でも、この8.8%を現在の基本的な数字として取り扱っています。35人学級ならば3人に相当します。この数はあくまでも担任等の解答による教育的ニーズです。境界線知能の児童生徒もこの教育的ニーズに合致すると考えられます。

ADHDの生徒が2015年には16,886名から2024年には50,872名に増加し10年間で約3倍にもなり、LDの生徒が2015年の14,543人から2024年には45,593名にもなり10年間で約3,1倍、ASDの生徒が2015年は14,167名が2024年には48,116名で10年間に約3,4倍にも増加しています。に2024年の通級に通っている児童生徒が230,405名で発達障害児童(ADHD,LD,ASD)は14,4581名で平成2015年度(27年度)の約45,600人からは約3,17倍に増えています。通級に通う児童生徒全体の約62,8%にあたります。該当するほとんどの生徒は高等学校への進学を希望しています。

お問い合わせはこちら