大学部:大学部通信 新学期特集号-3

2026年9月15日

3,大人の神経発達症

自然学園大学部の生徒の場合は学生時代に発達障害傾向の症状が露呈して集団生活での適応ができず、不登校になってしまい、学力的に通常級の授業がついていけず特別支援学級に転籍した場合などが多いですが、その場合進路として通信制高校を進学先として選択した生徒がほとんどです。高校在籍後、なんとか卒業はできたものの社会参加ができず入学されたケースが多いと思います。そのような生徒の場合は2次障害の診断とともに精神的に不安定さから卒業しても社会復帰が遅れてしまった生徒も少なくありません。

また大学に進学し、自宅を離れて就職し一人暮らしをした場合に学校生活や職場での生活、一人暮らしにうまくいかず、衣食住の管理ができず栄養失調や極度の疲労、家賃の滞納、ギャンブル依存、アルコール依存、学費、仕送りの使い込みなど社会性につまずきが露呈し発達障害に気づくケースの生徒もいます。

大学に進学しても履修登録の未登録や出席の自己管理、単位認定試験の失敗など大学生活における自己管理の欠如で除籍されるケースやレポートや論文が提出できない、ゼミでの発表が苦手、人間関係のトラブルなどの問題で不登校になるケースなどで神経発達症(発達障害)に気づくケースもあります。

就職して挫折したケースも少なくありません。職場でコミュニケーションがうまくいかず人間関係でまわりとの摩擦があり、人が離れていき仕事の相談もできないケースや相手の気持ちやお客さんの気持ちが理解できず相手を怒らせてしまうケースなどがきっかけになるケースも少なくありません。臨機応変の対応ができず、こだわりが強いことでミスが多発しているケースや「報連相」がわからず重大なミスを犯してしまったケースなどさまざまな業務上のミスが重なり発達障害に気づくケースもあります。それらのほとんどの場合、気づいたときには2次障害で情緒が混乱している状態で医療機関を受診するケースです。

神経発達症(発達障害)は、脳の発達に関連する障害で、主に認知機能、行動、社会的適応に影響を及ぼします。発達障害には、代表的なものとして自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。これらの障害は、幼少期に現れることが多く、症状は年齢とともに変化しますが、成人期においても続くことがあります。

発達障害は一般的に、神経系の発達過程における異常によって引き起こされ、遺伝的要因や環境的要因、またはその両方が影響を与えることが示唆されています。自閉症スペクトラム障害(ASD)は、特にコミュニケーションの困難さや、社会的な相互作用の障害が特徴的です。ADHDは注意の持続や衝動の制御が難しいことが主な特徴で、学習障害(LD)は特定の学習分野での遅れが見られます。発達障害は、社会や学校、職場において様々な困難を引き起こしますが、適切な支援や理解があれば、本人がその特性を活かして自分らしい生活を送ることが可能です。しかし、障害があることを周囲が理解していなかったり、診断が遅れたりすると、本人は過剰なストレスや困難を抱えることになります。

特に成人期において、発達障害の症状は見過ごされがちです。子どもの頃には目立った支援がなかった場合や、症状が軽度であったり、うまく周囲に適応していたりする場合、障害が成人してからも発見されることがあります。この場合、仕事や日常生活で障害が明らかになり、適切な支援が求められることが増えてきます。

神経発達症(発達障害)は、その症状が個人によって大きく異なるため、一人ひとりに合わせたサポートが求められます。成人期には、障害があることを受け入れるだけでなく、その特性に合った仕事環境や生活環境を整えることが大切です。近年、発達障害に対する社会的理解は進んでおり、仕事や生活の場でも配慮を求めることができるようになっています。障害を持ちながらも社会参加や仕事を続けるためには、まず自分自身の特性を理解し、それに基づいた環境やサポートを求めることが必要です。また、企業や社会が発達障害の特性を理解し、職場環境を調整することが、より良い社会の形成に繋がります。

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