大学部:大学部通信 新学期特集号-4

2026年9月16日

4,社会に参加するために改善しなければいけない大人神経発達症の特性と事例

「何度も同じ注意をさせるな!」「何度言ったらわかるんだ。」と上司との怒号が聞こえる職場には必ず大人の神経発達症の人がいます。

自分では注意したつもりでいても、やるべきことが重なって気持ちが焦ってくるとそのことだけしか頭に入らなくなり、他の業務が疎かになり忘れてしまったり、以前の受けた注意を忘れてしまったり、業務上の不注意から生じるミスが頻発したりすることが大人の発達障害の人の身近にある問題です。どれだけ真剣に仕事に取り組んでいても、書類の誤字脱字や提出漏れ、会議の予定や顧客との約束を忘れる、ダブルブッキングなどといったミスを繰り返してしまい、会社での信頼をなくすばかりか自分での自信を喪失してやる気を失ってしまいます。

神経発達症の中でも、特にADHD(注意欠如・多動症)傾向のある人は、スケジュールやタスクの管理が苦手といった特徴を持つことが多く、これが「うっかりミス」や「記憶の抜け」につながってしまいます。メモを取っているだけで確認を怠り、メモの役割を果たしていない人が多くいます。メールの返信や顧客との確認の連絡、上司への報告などをしようと思っていたのに、他のことに気を取られて忘れてしまったといった経験が何度も積み重なって自分でもどうしていいかわからくなっている人も多いと思います。

大人の神経発達症(発達障害)の中でも、特にASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などの特性を持つ人にとって、「社会的なコミュニケーション」の苦手さは、「報告・連絡・相談」などの業務上の報連相に大きく影響し、業務上のケアレスが大きなミスに繋がる危険性を絶えずはらんでいます。怒られてしまうことを恐れて発言のタイミングがずれてしまったり、やるべきことを後回しにしたり、相手の気持ちを察するのが難しかったりすることで、顧客とのトラブルが多くなることも少なくありません。会社における守秘義務違反をメール操作の誤りや書類の紛失で犯してしまう危険性を背中合わせで持ち合わせています。職場でも一方的なコミュニケーションや相手に立場に立って考えられない心の理論の問題はわがままや独善的な人だと勘違いされやすく人間関係にストレスを感じやすくなります。

大人の神経発達症(発達障害)を持つ方の中には、感情のコントロールが難しいと感じる人が少なくありません。アンガーマネジメントができず急に職場で上司や同僚相手に怒りだしてしまうことや顧客にさえ怒りをぶつけてしまう人もいます。また、職務上の注意を上司から受けただけでも激怒して言い返したり、言い訳をしたり、突然涙が出して訴えるなどの突飛な行動ウィ取ってしまう人います。すぐに謝罪ができない人は少なくありません。なぜ自分だけがこんなに不利益を受けるにか、感情に振り回されるのかと悩む方も多いのではないでしょう。

感情の起伏が激しいことは、しばしば性格の問題と捉えられてしまいがちですが、実は神経発達症の特性の一つとして、「感情調整障害」や「情動制御困難」という状態が含まれます。とくにADHD(注意欠如・多動症)では、刺激に対する反応が強く出やすく、衝動的に感情があふれてしまう傾向があります。また、ASD(自閉スペクトラム症)の方も、自分の思いや予定が乱されたときに強いストレスを感じ、感情が爆発的に表に出てしまうことがあります。

この感情のコントロールの難しさは、日常生活だけでなく、仕事や人間関係にも大きく影響します。例えば、仕事中に上司の指摘にカッとなって言い返してしまったり、ちょっとしたトラブルで気持ちが切り替えられず業務が止まってしまったりするケースです。また、感情が表に出やすいために、周囲から「扱いにくい人」「感情的な人」と誤解されることもあります。

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