大学部:大学部通信 新学期特集号-6
2026年9月18日
6,大人の神経発達症や2次的なつまずきまたほかの精神疾患から脱却し社会に適応するには・・
自然学園では、将来の社会参加に必要とされるスキルの育成を継続的に取り組んできました。多くの卒業生の皆さんが企業での就労機会を得て、現在は自分の与えられた業務にやりがいをもって取り組み、責任ある立場でキャリアを重ねている卒業生が育ってきています。そのような現状を踏まえて、定着支援を通して企業の担当者からいただいた貴重な意見や企業で働いている卒業生から聞き得た就労の実情をどのように在籍されている生徒の皆さんにフィードバックできる教育支援をカリュキュラムに導入してきました。
自然学園でも企業側に在籍生徒がかかえる障害を理解していただき、体験就労の実施や採用までの関係に至る道のりは時間がかかるものでした。企業が要求するスキルや実習を通して必要なスキルを授業カリキュラムに落とし込み、課外活動も含む学校行事や職業実習を通した体験的な学習で、実際の場面で適応し一般的な行動として般化するためのソーシャルスキルトレーニングを自然学園が創立した2006年から実践しています。
キャリア教育の取り組みは神経発達症(発達障害神)の学生の場合は、より綿密に、丁寧に行わなければいけません。以上に記した状況の生徒の場合は精神的な回復期に満たない日もいるので職業訓練的な取り組みがより一層、自信を失わせ2次障害やその他の精神疾患が悪化することもあります。発達障害がある学生と健常の学生との違いは、職場での業務や人間関係での困難さ強く感じるハードルが何であるかを把握することにあります。認知発達の凸凹や不注意性や不器用性、人間関係におけるつまずきから注意を受けることが多くなり、自信を失い、退職に結びついてしまうことも珍しくありません。そのため本人が働くためには自分の特性を理解し、不安や緊張から生じる精神的混乱をうまくコントロールしながら、その特性から生じるケアレスミスの改善に努め、自分のつまずきに対する合理的配慮を申し入れることができることが働くために必要なスキルとして必要とされてきます。
口頭からの指示だけで作業を遂行することや指示書だけを頼りに業務を遂行することは、言語的なワーキングメモリに問題のある人は苦手です。認知の偏りに特性がある学生にとって、知的なつまずきより言語的な短期記憶や処理、視空間領域での短期記憶や処理に苦手さのある学生や手先の不器用さがあり微細運動の苦手さ、粗大運動の苦手さがある学生は軽作業的な作業課題に対して大きくハンデを負うことになります。
大人の神経発達症を受け容れる企業では、認知や不器用性のつまずきに対しては構造化を徹底し、できるだけ手順を簡略化、パターン化して、ルーチンの手順を理解すれば、正確に仕事を遂行し、集中力や持続力が高い人たちの雇用を積極的に進めている企業が少しずつ多くなっているようです。具体的な仕事としては名簿作成、PCデータ入力、発送業務、資料作成、スキャン業務、ファイル整理、仕分け、校正、DM郵送、コピー、シュレッダー、袋詰め、のり付け、宛名書き、押印、名刺作成、パンフレット作成、社内便等の事務作業などです。「数える」「折る」「封入する」などの能力が求められる軽作業業務でも目と手の協応や感覚統合の訓練を重ね、事前に作業工程を理解し、可視化されたプログラムに従い、作業確認を絶えずしながらの作業ならば、先の見通しながら落ち着いて目の前の業務に取り組み、継時的な業務処理がゆっとりをもって行える能力が備わっていると私は考えています。
神経発達症がある人たちには、同時処理力や継次処理力を要求される複雑な業務でさえ、やりこなせること能力があることを企業から認められています。またグループワークの際のリーダーとしてチームをまとめることや業務管理ができる資質を兼ね備えている人たちもいます。神経発達症(発達障害)の人たちは、やるべき手順ややり方、こなさなければいけない分量などが明確になっていれば、不安が少なくなり人並み以上の集中力で正確に仕事が消化できる人たちが多いのです。人付き合いが苦手で、言葉の巧みさを持ち合わせてない人でも事務処理や入力作業などは、業務を限定し作業工程を一律にマニュアル化することで、先の見通しがつくようになり、次の作業が図れるようになる人が多いのです。
そして会社に自分の業績がみとめられ、少しでも会社に貢献しているという気持ちが持てれば自己肯定感は高まり、まわり人たちとの関係性も良くなり、必然的にコミュニケーション力が高まります。その中でビジネスマナーやグループワーク、「報連相」が養われるようになると思います。自然学園大学部はそのための基礎力を育むクラスです。将来の企業実習や社会自立に必要なスキルを学ぶ教育機関であり学校です。
そのことを踏まえて自然学園大学部の授業では、企業に受け入れてもらえるための社会倫理やビジネスマナーを教えて、会社の理念やルールに沿った行動が実行でき、ほかの社員と歩調をあわせて協調できる社会的なスキルを獲得させることに力を入れています。そして自分の欠点を把握させることからはじまり、認知の偏りの対策としてメモや確認作業を徹底させ、トラブルの報告、困ったときの相談がスムーズにできるようなグループワークを重視して職場に適応できるためのスキルを教えています。認知の苦手さを克服できる作業訓練や指示の受け方やビジネスマナー、グループワークなどが以上に相当する授業になります。また人との関わりが苦手で、相手の立場に立って人の気持ちを考えられない特性を持ち合わせているは、コミュニケーションスキル、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)などの授業があり、まわりの人たちとうまくつきあうための実践スキルを養成する講座になっています。
発達障害がある人の特性である認知の偏りは、言語領域での短期記憶が必要な口頭からの指示や処理を必要とされる指示書やマニュアル書類、メール等のSNSでの指示など業務を委託するうえでワーキングメモリの問題からくるつまずきは職場でのミスやトラブルに直結する彼らの特性です。どのように自分自身でも工夫すればこのようなつまずきからくるミスやトラブルが防げるのか、どのような配慮を企業側に求めたらよいのか一人ひとりに合わせた課題を実践し、繰り返しロールプレイすることで、特性を考慮したうえでできることを応用した指示を受けるうえでのパターンを習得することに力を入れていきます。「作業」の授業に関しても事務作業、軽作業のどちらも一定の水準で消化できる作業スキルを実践的な訓練していきます。そして実際に企業が導入しているグループワークを課題としてしましながら、それに必要なソーシャルスキル、コミュニケーションスキルを育ませていきます。事務作業では必須になっている資料・名簿の作成、データ入力、スキャン業務などPC操作の基礎を実践での演習を通して身に着けていく講座です。





