高等部:高等部通信新学期特別号 学園長ブログ~可能性のとびら~-3(1)
2026年10月4日
3、技能連携校である自然学園高等部の取り組みと通信制高校と連携した単位認定における役割
(1)技能連携校とは
文部科学省は、技能連携制度について「高等学校の定時制又は通信制の課程に在学する生徒」が、一定の要件を備えた技能教育施設で教育を受けた場合、その学習を高校の科目の履修とみなす制度と説明しています。一般に「技能連携校」と呼ばれている学校の多くは、高等専修学校などの技能教育施設になり、中学校卒業者を対象として、専門的・実践的な職業教育を行う学校です。
例えば、「IT・情報」、「プログラミング」、「ゲーム・CG」「デザイン」「美容」「調理・製菓」「福祉」「介護」「自動車整備」「工業」「商業」「スポーツ」「動物」「音楽」などを専門科目として実施しているさまざまな学校があります。技能連携校で学ぶ専門科目の学習は、通信制高校の卒業に必要な単位(最大半分まで)として認められます。
神経発達症傾向があり、学習意欲がなく授業に集中できない多動的な生徒は、このように普通教科を中心に高校生活を送るより、自分が興味を持てる専門分野を学びながら高校卒業を目指す教育の方が相性も良く、自らの特性を生かし、社会とつながるきっかけを作ることができるチャンスが多くできるでしょう。そして「多様性」のある生徒にはより適した学びの場になるでしょう。
技能連携施設としての学校制度は、高校改革に求められる「多様な学び方」「個別最適な学び」「職業教育」「キャリア教育」に合致する重要な骨格として通信制高校と柔軟な教育システムが技能連携校の特色をより生かすことに繋がってきます。そのような意味では現在の高等学校は、生徒の特性・能力・進路に応じて、多様な教育を組み合わせる教育に舵を切っています。その中で技能連携制度は、普通教育だけでは高校生活に適応しにくい生徒に、職業教育という別の入口を提供する役割を担っています。
このことを踏まえ自然学園高等部では、神経発達症(発達障害)境界知能・不登校経験者などの生徒に対して、単に「学習の遅れを補う」のではなく、「職業的な強みを育てながら高校卒業につなげる」ことを理念に通信制高校と連携した技能連携施設としての歩みをすすめています。自然学園の特徴のひとつは一般就労の実績です。2005年に施行された発達障害者支援法によって、精神障害者保健福祉手帳の取得が可能になった生徒の障害者雇用での一般就労が実現し、卒業後の進路実績に繋がるようになり、今では特例子会社をはじめ多くの企業の障害就労の中心は、大人の神経発達症の人たちになっています。
技能連携校で学んだ専門的な単位は通信制高校の単位として認定され、高校に必要な単位の半分(37単位)までを上限として認められます。この制度により実社会で役に立つ専門技能の習得と高校卒業資格の同時習得が可能になります。自然学園高等部の生徒は卒業後一般就労を目標にしている人たちが多くいます。自然学園では技能教科は情報を選択しています。企業就労にはパソコン、タブレットを使った情報の管理や情報の入力、書類作成等の業務が在籍生に求められるようになっています。軽作業中心のルーティン業務だけをすればいい時代ではなくなっています。このように自然学園は本来の技能連携校の役割を担っている教育施設であり通信教育連携協力施設です。高校に在籍する通信制課程の修業年限は3年以上で必要な単位を74単位以上修得することが高校卒業資格の取得条件です。
これは学校教育法施行規則および学習指導要領に基づくものです。ただし、「74単位取れば必ず卒業できる」という意味ではありません。学校が卒業に必要な単位数を74単位より多く設定している場合は、その学校の定めた単位数を修得する必要があります。もう一つ見落とされやすいのが特別活動です。校長は、必要な単位を修得し、かつ、特別活動の成果がその目標から見て満足できると認めた生徒について、高校の全課程の修了を認定します。通信制高校の場合も、この考え方は基本的に同じです。①入学式・卒業式②ホームルーム③進路ガイダンス④キャリア教育⑤ソーシャルスキルトレーニング⑥遠足・校外学習⑦文化祭⑧体育祭⑨職業体験などを全日制高校や定時制高校は、特別活動として年間35時間以上の特別活動を校長がその成果として認める事で卒業の条件として位置づけられています。
技能連携施設の場合は「情報」「プログラム」企業見学」「職場体験」「ビジネスマナー」「体験就労」「グループワーク」「作業訓練」「キャリア教育」などを74単位の中の37単位までを技能連携教科として換算できます。
通信教育連携協力施設は面接指導等の実施施設と学習等支援施設に分類できます。文科省が発表している類型表では、広域制通信制高校が直接運営している施設を学習センターと分類しています。面接指導等の実施施設は学習センターと技能連携施設に限られます。キャンパスとの表示がある分校が存在します。面接指導を実施できない学習支援等施設も、総じてキャンパスと呼称している施設もあるので注意が必要です。学習支援等施設の場合は学習センターに認められている施設や通信制高校本校におけるスクーリングの受講、添削指導と学力考査の受験が必修になります。技能連携校は通信制高校の単位認定に必要なスクーリングやレポートの添削指導、学力考査が実施できる技能連携施設です。





