高等部:高等部通信新学期特別編集号 学園長ブログ~可能性のとびら~-8

2024年9月17日

8、おわりに

 

9月は台風の多い季節です。台風は、気圧の変化が急激な上、移動のスピードが速いので、この時期に体調不良を訴える人が多いです。夏場によく発生する局地的大雨も、このような気象病を招きます。局地的大雨は、積乱雲によってもたらされます。一つの積乱雲の大きさは十数キロメートル程度なので、日本全体が表示される天気図には「低気圧」とは表示されません。しかし、積乱雲のあるところには激しい上昇気流が起こっています。上昇気流が起こっているということは気圧が低いということです。積乱雲ができれば急激に気圧が下がるので、気象病が起こるというわけです。

 

このように、台風の影響で雨が多いこの時期は、体調の変化が起きやすく高等部のお子様方の中には、精神的に不安定になって、いつもより多動傾向が強くなり、衝動性が強くトラブルやパニック的な行動を起こしやすくなります。不安の強さや精神的な不安定さも低気圧に関係していると言われています。せっかくコロナも収束し日常に戻ったと思ったら、新学期になって前述した状況が各高等学校では起きています。文化祭が引き金になっているようで、自然学園も体育祭と思いやり収穫祭(学園祭)を控えているので、今まで通り感染対策には気を遣いながら生活してください。そうでなくとも2学期は学校行事が多い時期でもあることから学校でのトラブルも多い時期です。加えて、先述したように台風が多い季節でもあり、低気圧の影響もあって、イライラしたり、モヤモヤしたり、1年の中でも精神的に不安定な落ち着かない季節の真っただ中にいるわけです。

 

学力考査の緊張感から解放され、クラス内でのトラブルが起きやすいのもこの時期です。コロナ禍でのストレスや思春期のもやもやなど、ダブル、トリプルでストレスを背負う可能性が高いブルーな時期をお子様方は過ごしています。

 

体育祭などの行事も、感覚統合の問題や認知のつまずきがあるお子様には、非常にストレスが強まります。このような時期に人間関係のトラブルなどが重なることによって、不安がさらに強くなり情緒の混乱を生じ、不登校やパニックなどに結びついてくることは珍しいことではありません。

 

高等部のお子様方は、前期試験で思うような得点をとれなかったとしても、後期試験につながるよう原因を把握して学習計画を見直しましょう。自信を無くすことで無気力や不安につながることがないように細心の注意が必要です。

 

保護者の方々はお子様方の様子の変化を見逃さないようにしてください。自然学園では問題行動や情緒の混乱の原因をアセスメントして、適切なカウンセリングや問題行動を解決するためのSST(ソーシャルスキルトレーニング)を高等部の授業のカリキュラムに取り入れています。もし情緒の混乱や精神的に不安定な状況があれば、保護者の皆様方と連携しながら早期の解決を図りたいと思います。ご協力お願い申し上げます。

 

自然学園学園長 小林 浩

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