高等部:高等部通信10月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-4
2024年11月2日
4、第16回自然学園『思いやり収穫祭』
特別講演会『子どもの心を動かす言葉』のお知らせ
子育てで大切なことは「子どもを上手にほめること」「丁寧に教えること」、そしてその結果「子どもに自信をもたせること」です。お子様が周りに迷惑をかけてしまうような問題行動を起こしてしまったときに、なんとかしてその場の行動をやめさせたいご両親のお気持ちは痛いほどよく分かります。問題行動は集団行動を必要とする場面で多くなるものです。特にご家庭にいることが多い2歳児まで、問題となる行動が分かりにくいのは、人との交流や関わりが少なかったためだと考えられます。一般に言われるASD(自閉スペクトラム症)の特性と言われる3つの共通した特徴とは社会性、コミュニケーション、想像力の課題だと言われています。
そうだとすると、問題行動は、彼らが置かれた保育園や幼稚園などの大勢の環境に、自身の特性が適応できないことが大きな要因であり、お子様の能動的な行動だけが問題行動の原因ではないのです。発達障害の子どもは視覚的な情報が得やすいタイプが多く、目で見て理解することが得意です。反対に目で見て見えないものを理解することが苦手で、話し言葉も理解することが苦手なタイプが多くいます。周りの子が普通にできることができず、問題行動につながるケースも少なくありません。未学習でできない事もことのほか多いものです。この場合、彼らの特性を把握して彼らがわかるように伝え、正しい行動を教えてあげることが大切になります。
ですから「いけません。」「やりません。」と厳しく叱っても行動の改善には至りません。このように叱ると、結果はますます悪い方向に向かってしまうでしょう。ここで言う「心を動かす言葉」は単に言葉のチョイスを意味するわけではありません。子どもの心に言葉を届けるためにお子様の特性や個性の理解と、それに応じた言葉の届け方の技術や態度などの表現を学ぶことです。
今回の特別講演会では「なぜ話が伝わりにくいのか」を題材に、指示が入らない特性に関して焦点を当てその理由をお話しさせていただいた上で「ちゃんと伝わるような言葉かけ」の具体例を「上手な叱り方」と「上手なほめ方」と共にお伝えさせていただくプログラムになっています。正しい行動をわかりやすく教え、できたらほめるという支援を発達障害がある子どもたちは必要としています。当日は、問題行動への具体的な対処法の事例を合わせてご紹介させていただく予定です。ぜひお越しください。