高等部:高等部通信3月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-1
2025年3月25日
気持ちが最も不安定になりやすい時期
冒頭に「立春」の話をしましたが、春にかけてのこの時期は1年のうちでも一番心が不安定になりやすい頃であり、ストレスが溜まりやすく不安が強くなるとも言われています。 特に立春の頃は、不眠・寝つきの悪さ・憂うつ・気分の落ち込みなどを感じやすくなります。発達障害傾向がある子どもたちは、幼い頃から叱責を受けることが多く、周りとのトラブルを起こす事が多いので孤立しやすいのです。このような経験を重ねる中で自己肯定感が低くなり、不安や無気力、情緒の混乱など引き起こしやすい人が多くなります。
このような人が大人になると、こだわりの強さや不注意からの仕事上のミスなどで周りから叱られることが多く、そのことを素直に謝れないことや、周りから見て反省していないような態度に見られがちな人たちが多くなります。これらのことから職場に適応することができず、2次障害と言われる発達障害が起因した鬱の症状が出る人が多いのもこの時期です。そうでなくても発達障害傾向の人たちは、人間関係がうまくいくともう一つ踏み込んだ友人関係を要求してしまいがちです。距離感や人間関係のタイミングなどをうまく測れない人たちは、時折トラブルを起こしてしまう傾向があります。新しい環境にまだなじめず、人間関係が安定していない時期は人間関係のトラブルも起きやすいのです。コロナ禍においては、このような時期はさらに不安が強くなった傾向がありました。不登校生が急増した背景にはこのような要因も大きかったように思います。
(※コラムに掲載されたものを一部抜粋しております。)