高等部:高等部通信4月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-1
2025年4月12日
1,はじめに
東京の桜の開花は3月24日でした。昨年より5日早い開花となり、その間に雨模様の寒い日が続いたので、入学式は桜が満開で迎えられ、華やいだ入学式日和になりました。
高等部の新2年生、3年生も4月8日に始業式があり新学期が始まりました。新2年生、新3年生に在籍している生徒の皆さんは新学期が始まることで緊張していた人たちも多かったと思います。
急な時間割や行事、教育プログラム等の変更は発達障害傾向のお子様は苦手とする特性の一つです。初めてのこと、慣れていない作業、慣れていない環境等も先の見通しが効かない特性のお子様にはスムーズに物事を熟せるようになるまで時間がかかります。学年が上がればそれぞれ学年における教育目標が担任の先生からお話があるでしょう。そのクラス目標を実現するためにまずは自分自身で昨年度の反省をしてみてください。うまくできたこと、目標に掲げたのに達成できなかったことや改善できなかった問題点をいくつか箇条書きにして書き出してみるといいと思います。そして今年度はどのようにしたらうまくいくかを考えてください。逆に達成できたり、改善できなかったりしたことはどのように取り組みをして達成できたのかを振り返ればうまくいかなかったことの改善プランを立てる大きなヒントになるかもしれません。そのようにまず自分自身のことを振り返ったうえでクラス目標に向かって頑張るための自分自身の実行計画を考えてください。
2,小中高等学校のいじめと不登校の統計
2024年10月に発表した文部科学省が公表した昨年度(令和5年度)の不登校生の統計では、全国の小中学校で30日以上、欠席した不登校の児童・生徒の数はおよそ34万6482人になります。前年度から47,434人(15.9%)増加。増加は11年連続となっていて、初めて30万人を超えた(前年度は29万9048人)ことになります。
また高等学校の不登校の生徒数も約6万8千770人(前年度50,985人)と過去最多となりました不登校生の割合は2023年度(令和4年度)の統計は、前年度2022年度(令和3年度)の急増した状況に比較すると減少していました。これは中学校で不登校となった生徒が進学しないケースや、通信制高校などの中学時代にはなかった形式の学校へ進学することで、徐々に登校できるようになる生徒が多くなったためと考えられます。このような現状があっても増加が食い止められない高校の現状は深刻に受け止める必要があると思います。
いじめに関する統計では、高校生におけるいじめ人認知件数は17,611件でした。小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は732,568件で、前年度に比べ50,620件(10.8%)増加しました。いじめの認知件数は小学校で588,930件、中学校122,703人です。生命や身心などに重大な被害が生じた疑いがあったり、長期欠席を余儀なくされたりするいじめの「重大事態」は1306件(前年度比387件増)でいずれも過去最多になっています。
小中学校においては、いじめの原因として「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も多く、つづいて「軽くぶつかられたり、遊ぶふりして叩かれたり、蹴られたりする。」が多い結果になっています。高等学校においては、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も多く、続いて「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」が多くなっています。