高等部:高等部通信6月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-5
2025年6月23日
6、おわりに
高等部の入学相談をしていて、学校に行くことができない、行きたくない気持ちが強くなって悩んでいる子どもたちが、例年の今の時期より多いように強く感じています。中学生の場合は、ゴールデンウィークなどの休み中に生活リズムが崩れたり勉強に対する悩みが強くなったり、今まで以上に学校生活に対する不安がストレスになった状態で現在に至る人たちが少なくないのです。自然学園に入学を希望している中学生は毎年5月の連休明けから不登校生が多くなります。
もともと梅雨時期は鬱になりやすい時期で、5月に続き適応障害が発症しやすい季節です。そして、この急激な暑さなので体調が崩れてもおかしくない状況です。サマーキャンプを控えるこの時期だからこそ体調には十分気を付けてお過ごしください。
発達のつまずきがあり、認知面でも「読む」「書く」「聞く」などに苦手さがあるお子様は、一方的な授業は理解しづらく、問題集やプリント学習も負担が大きいのです。こだわりが強い生徒はわからない箇所にぶつかるともう先には進めません。自己肯定感が低い生徒は、自分だけが分からないことに焦燥感を募らせます。集中力や持続力がない子どもはゲーム機などが散乱している家庭では学習を取り組むことができません。夜もゲームをやめられず、朝も起きられず、生活習慣が乱れてくるでしょう。当然家庭で怒られることも多くなるのでそのイライラは極限まで到達することは予想に難くありません。
そこから生まれる投げやりな無気力さや不安が不登校につながると考えられます。この状況に適応障害や他の要因が重なれば目を覆うような状況が、特別支援教育を必要とされる生徒には関係してくることなのです。
3年ぶりとなる長瀞のサマーキャンプが7月14日(月)、15日(火)に控えています。長瀞の自然を満喫してもらうとともに、上記したSSTを般化できる絶好の機会なのです。サマーキャンプは班行動やクラスごとの行動を通して役割分担やグループワークを実践できる学習の場でもあるのです。皆さんの成長を期待しています。
自然学園学園長 小林 浩