高等部:高等部通信9月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-2
2026年9月4日
2、通信制高校に在籍している生徒の現状
~高等学校の単位の取得について(通信制高校の単位認定の現状)~
高校での不登校は高校へ入学して間もない時期に新しい環境になったことで、勉強面や生活面での変化に適応できないケースが出てきます。その流れで不登校が継続したり、退学したりしてしまう現象のことを「高1クライシス」と呼びます。「学習面の不安で授業が分からない、提出物が出せない。」などの理由も「高1クライシス」や高校での不登校の主な理由の一つだと考えられています。現在の考え方では、不登校は「問題行動」ではなく、心身のエネルギーが枯渇して休養を必要としているサインだとしています。まずは「学校に行く・行かない」という結果にとらわれず、子どもが自分らしく社会的に自立するためのプロセスだと捉え直すことが大切だとされています。
学校教育での不登校に対する考え方は「学校に戻すべき」という問題解決型から、「多様な学びの選択肢を尊重する」方向へ大きく変化しています。現在では、心身を休める期間(エネルギーの充電)を経て、通信制高校やフリースクールなど自分に合った居場所や学校以外の学びの場を選ぶことが主流になりつつあります。令和7年度の調査では通信制高校の入学者のうち、中学校3年生で不登校だった生徒が44,461人で入学者の57%を占めています。
普通学級で特別支援教育を必要としている子どもたちが全国で約8.8%いると言われています。この統計は診断名ではなく教員が判断した、特別支援教育を必要としている子どもたちの基準です。そして、そのような子どもたちは医療機関に診察を受けても診断名がつかない子どもたちが非常に多くなっているとのことです。
通常級から特別支援学級に転籍した生徒が増えていると言われています。特に小学校3年生ぐらいから支援学級に転籍するケースが増えていると報じられています。ADHDの生徒が2009年には4,013名から24,709名に増加し10年間で6倍にもなり、LDの生徒が2009年の4,726人から2019年には22,389名で10年間に5倍、ASDの生徒が2009年は8,064名が2019年には25,635名で10年間に3倍にも増加しています。2019年には通級に通っている児童生徒が134,185名で発達障害児童(ADHD,LD,ASD)は72,733名で通級に通う児童生徒全体の54%にあたります。
2006年に文科省が発表した学校実態調査によると小中学校の通常級で発達障害とみられる児童生徒の数は全国で約7,000人で6.5%の生徒に該当します。2019年で約70,000人になり2022年の12月の文科省の調査の発表では約90,000人で8.8%と急増しています。2025年に文科省が公表した資料でも、この8.8%を現在の基本的な数字として取り扱っています。35人学級ならば3人に相当します。この数はあくまでも担任等の解答による教育的ニーズです。境界線知能の児童生徒もこの教育的ニーズに合致すると考えられます。
ADHDやLDの診断の基準では知的な遅れはない子どもたちなので、療育手帳が取得できず特別支援学級に在籍していてもそのほとんどは高校進学が進路になるでしょう。通常級で8.8%に相当する特別支援教育を必要とする神経発達症(発達障害)がある通級を利用している子どもも高校への進路を選ぶことになるでしょう。
通信制高校の入学者の不登校だった生徒の中で上記にある知的な問題がない特別支援教育を必要としている子どもたちの割合は統計的には発表されていませんが、かなりの割合で該当する生徒がいることは容易に想像の付くところです。





