高等部:高等部通信9月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-3
2026年9月5日
3、高等学校の単位の取得について(通信制高校の単位認定の現状)
令和7年10月29日に文部科学省から令和6年度不登校児童生徒数の統計結果が発表されました。全国の小中学校で2024年度に学校を30日以上欠席した不登校の児童生徒数は前年度から7,488人(2.2%)の35万3,970人となり、過去最多を記録しています。不登校の増加は12年連続で10年前と比べると小学生は5.5倍、中学生は2.2倍に増えています。これらのデーターから通常級で特別支援教育を必要としている生徒や、特別支援学級に在籍しているADHDや(S)LDなど、診断のある生徒のほとんどは学力的には高等学校の学習指導要領が求める学力に到達できないでしょう。そうであるなら高校に進学するための大きな課題は、学力に対する配慮と単位の認定の合理的な融和であると想定されます。
このような現状での問題点としては、通信制高校の単位認定はレポートの課題の提出とスクーリングと言われる面接授業の出席が必須になっていて、認定されている視聴覚学習を選択することでスクーリングの10分の6まで補うことは可能ですが、基本的には年に50から60時限(1時限を50分としています。)のスクーリングの出席を満たせず、レポートの提出ができない場合は、学力試験を受けられない規定が設けられていることです。
現在の通信制高校はICT教育の実践で自宅のみならず遠方や海外でも動画配信やリモートでのスクーリングの受講が可能になりました。一方的な配信では講義が理解できない人や、人との関わりがある学校生活を希望している人は各地域に設けられている学習センターでのスクーリングが受講できます。私立が運営している通信制高校は「ICT」型か「通学」型の通信制高校が主流になっています。どちらのパターンも授業の受講がスクーリングに相当されます。(細かい規定は技能連携校及び学習センターで設けられています。)
高等学校は通信制高校であっても74単位以上の修得、通算3年以上の修学、通算30単位時間以上の特別活動の修得が卒業の条件とされています。特別活動とはホームルーム、文化祭、体育祭、サマーキャンプ、スキー教室、修学旅行、芸術文化鑑賞会などの学校行事、入学式、卒業式などの儀式的行事、クラブ活動等のことです。そして前期学力試験、後期学力試験の結果を踏まえて単位認定および卒業認定が行われます。
評価に関しては、教科によっても異なりますが、一人ひとりのつまずきごとに合理的配慮のうえで提示したテスト内容の得点が基礎になり5段階の基準で決定しますが、当然レポートの提出状況、レポートの得点と授業の出席状況及び授業態度が評価に加わります。授業の出席日数は全日制高校と違い、各教科における授業時間数の1/3の欠課時数で足切りすることはありませんが、通信制高校に定められたスクーリングの出席日数の下限(50~60時限)を満たすことは単位認定の条件になります。授業の出席日数また授業態度やレポートの評価は当然総合評価に加味されます。
通信制高校の単位認定はレポートの課題の提出とスクーリングと言われる面接授業の出席が必須になっていて、スクーリング以外は自宅での自学でも学業が修められる制度です。スクーリング(面接授業)の出席も全日制課程や定時制課程に比べるとウエートは高くありません。本来、自学自習で理解できなかった課題を面接授業で確認することが授業の目的だったためです。自学自習が難しい生徒に対して、通信教育連携協力施設であるサポート校などは、レポートの作成の支援や試験対策を支援する教育サポートを実施している教育機関です。ただし、サポート校や通信制高校の学習センターの認可がないキャンパスなどと呼ばれている教育施設は単位の認定に含まれるスクーリングは認められていないので、通信制高校の本校舎や学習センターでスクーリングや試験を受講しなければなりません。
通信制高校の場合は視聴覚での学習を選択すればスクーリングの10分の6まで免除されるので在宅や海外での通信教育で単位の認定が可能なのです。生活習慣が乱れてしまい登校ができない状況がある人や海外を舞台にしている高校生のアーティストやアスリート、登校に費やす時間を他の目的のための時間に費やしたい人などは、このような在宅型の通信生高校を利用している人たちが多いと思われます。また、文科省が発表した不登校のステージで「初期」や「本格期」に相当する第2ステージ、第3ステージの人たちや起立性調節障害の人たちは通信制高校であってもスクーリングに参加できない状態にあると考えられます。そのような人も在宅型の通信生高校を利用している人たちが多いと思われます。
実際に通信制高校に在籍している生徒は前述した中学校で不登校を経験していた生徒の皆さんや特別支援教育を必要としている生徒の皆さんが多く在籍しています。特別支援教育を必要としている人たちの中には中学校時代に学力がついていけず、通級学級を利用していた人や特別支援学級に転籍したADHD傾向、LD傾向のある人たちや境界知能の人たちも対象になります。実際の学力は小学校高学年と考えた方が現実的です。





