~自己理解について~

2025年3月14日

高等部では1年生で必修教科である「公共」の教科書に項目があるマズローの欲求5段階説の例としてあげさせていただきました。人間には5段階の欲求階級があり、1つの欲求が満たされると次の欲求を満たそうとし、絶えず自己実現に向かって成長するものであるとの考え方で、人間の成長過程において、このマズローの理論によって自分が今どの欲求を満たしたいかという段階を知ることができ、その欲求を満たすために、今自分がなすべきことがわかってきます。

これから皆さんが直面する進路選択においても現実的な選択が必要になってきます。そのためには自分で自分を評価できるようになることをマズローは推奨しています。皆さんに例えるなら、自分自身のつまずきに向き合い自己理解を進めることであると思っています。

これがないと自分ができることを考え、そのできることを職業にすることで複数の人から必要とされ評価される仕事を探すことが、やりがいを持って続けられる仕事を得ることに結び付きます。そのことは結果的に自分がやりたい仕事で人のためになる社会貢献に直結し、自己実現に目標に歩みを進める行為なのです。

しかし、愛着障害や発達障害などの2次障害で心の発達が歪んでしまうとお子様の目に見える問題行動が強くなるのです。そうなると幼児期では交流的な関係が広がりにくく社会性が育ちません。肯定された記憶を持たないお子様は失敗しても見放されない安心感が持てず分離不安が強くなり、攻撃性が出てきます。幼児期で決まり事を守ることが出来ないお子様は学童期になっても個人的な約束は守れず、安全と安定の基準を自分の中につくることができないままになってしまいます。マズローの理論である3段階目に当たる「所属と愛の欲求」である社会的欲求が満たされないのでいつまでたっても自分に向き合った現実的な選択ができないのです。「野球が好きで大谷翔平にあこがれているから野球選手になりたい」「ゲームが好きだからゲームクリエイターとして活躍したい」と言った選択をする高校生はいないと思います。今お話ししたことを自分のこととして受け止めてもらいたいと思います。

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