ワーキングメモリを補う算数(数学)の文章題の方策について
2025年10月5日
今回は、バンブー教室の小学3年生の生徒さんにさせていただいている学習支援を例として挙げ、特性に応じた適切な学習方法についてお話しできればと思います。この生徒さんは通常級で学んでいて、算数以外の教科は比較的できるのですが、ワーキングメモリにつまずきがあり、言葉で聞く、もしくは見た数の量や大きさを頭の中でイメージすることが苦手なために算数の文章問題や時計の問題を特に苦手としています。
算数の問題へ取り組む時には、認識した数字を「かず」の順番どおりに数えられる「序数性」という力と「かず」の長さや大きさなどの量を「大体のこのぐらい」というような感覚として判別できる力が必要だと言われています。
このような感覚は、ワーキングメモリと密接な関係があります。数字などの視覚からの情報を頭の中に保持し、数を数えて、量や大きさとして認識するために短期記憶のワーキングメモリ(視空間的短期記憶)を必要とするからです。算数が苦手な人は、この複数の思考を同時に行う力が弱いため計算に苦慮します。そのため、数の順番や大きさを認識するためには数直線などの視覚的な手がかりが必須になります。文章題では、さらに書かれた文を読んで言語的な情報で示された数字を頭の中のイメージの世界に置き換える処理も必要とするためより記憶の容量が圧迫されてしまいます。
そこで、バンブー教室で行っている具体的な支援のひとつとして、以下のような方法を用いて苦手なワーキングメモリを補いながら学習をしています。
支援方法・・・問題文をいくつかに分け、それぞれの文章に対応する絵カードを選んでもらい立式することで、視覚的に数の大小を理解できるように工夫をして、ワーキングメモリを補いながら学習する。
【問題文】

① 問題文をいくつかのわかりやすい区切りで分けたカードを作成する。



③計算をする。 ⇒ 5×4=20 ⇒ 答え20個
以上のような方法で学習をしていき、最終的には自分で空いているスペースにこのような絵カードを描けるようになれば一人でも自分のワーキングメモリのつまずきを補いながら学習することができるようになります。バンブー教室でもそこを目標に日々学習支援を行っています。




