『修学旅行③―頑張る生徒の様子―』
2014年7月4日
冗談はさておき、
3年生の中には
まだ精神的な不安定さから
完全には立ち直れていない
子どもたちが何人かいます。
その人たちにとって
この修学旅行は、
自分たちが将来、
社会参加が可能になり、
大勢の人たちの中でも
緊張せずに
生活ができる
試金石とするべく、
重大決意で
参加している生徒がいることを
本人から直接に聞きました。
今まで
ゆっくり話す機会がなかった
生徒の皆さんと、
湯船につかりながら
ゆっくり話ができたこと、
またある生徒は
わざわざ自分の気持ちを伝えに
私の部屋を訪ねてくれました。
私にとっても
非常に意味のある修学旅行でした。
皆さんの勇気ある行動、
「自分革命」は
必ず結果として
表れてくるでしょう。
皆さんを生徒として
預かることができたことに、
改めて誇りと
喜びを感じることができました。
そんな子どもたちも含めて、
連休明けから梅雨入りした
今の季節は精神的にも、
とてもきつい時期だと思います。
1年のうちでも
一番の頑張りどころです。
旅行中にある生徒から、
「前の日まで何の不安もなく
1日を送れることができて、
もう学校生活も大丈夫だと思うと、
次の朝、
急に不安で胸がいっぱいになって
登校することが
出来なくなってしまうんです。」
という悩みを聞きました。
その生徒は
入学した時より明らかに
登校日数が増えていて、
週1回休むか休まないかになってきています。
朝どうしても起きられず
遅れてくる日は時折あるものの、
驚くぐらいの回復力を見せています。
「卒業してから大丈夫か不安です。」
ともその生徒は言っていました。
私はその生徒に
「君は確実によくなっている。
何の心配もいらない。」と答えました。
「ただ今のペースが君に
ちょうどいい負担をかけながら
回復を促しているので、
頑張りすぎないことが大切だよ。
ちょうど大学を卒業する
あと5年先ぐらいを考えて、
今の努力をすすめていけば
絶対に社会に適応することができる。
スローステップで
少しずつ進んでいきなさい。」
と伝えました。
そのとき、その生徒はニコッと、
満面の笑顔で微笑んで
「はい。」と答えてくれました。
このような子どもたちは
高等部に大勢います。
ほとんどの生徒の皆さんは
中学校在学中に不登校を経験しています。
強迫性障害や統合失調症傾向、
拒食過食などの2次障害に悩んで
医療機関に通院している人も少なくありません。
つづく
『高等部通信6月号
学園長コラム ~可能性の扉~』より抜粋