学園長コラム~可能性のとびら~②
2014年12月27日
精神科医で作家の岡田尊司さんは、
「発達障害と呼ばないで」という本の中で、
先のタイプを視覚空間型と呼んでいて、
本から学ぶことが苦手で、
実際に手や体を動かして学ぶことが
得意なタイプであると書いています。
読字障害や算数障害などが伴っているケースが多く、
視覚的、映像的なイメージだけではなく、
体感的なイメージ、味覚、
触覚的なイメージ、音楽的なイメージなど、
イメージで思考するタイプの人が多いと言えるでしょう。
学習においても、
抽象的な記号や文字を見ただけでは
それが言葉と結びつかず、頭に残らないけれど、
感覚的に刺激的な方法を用いると、
急に興味や親しみがわき頭に入ってくる。
注意が散漫になりやすいタイプも多いので、
学習には聞く、読むだけではなく、手を動かしたり、
自分でやってみる要素を入れていくこと。
実際に、具体的に理解する作業を取り入れて、
体験的に理解するように努めることが
大切だと言っています。
たとえば、算数・数学は
できるだけ設定を具体的で現実的なものにして、
こんな方法を使えば、
現実的な問題がこんなふうに解決するんだよ、
というように課題の提示の仕方を
工夫するといいとも言っています。
文字を覚えるにも、文字を粘土で作って、
それに触れて、形を味わわせることが
興味を掻き立て、
学習を容易にすると記述されています。
後のタイプは、視覚言語型と言って、
情緒的、社会的発達は幼いと思われることが多く、
話し言葉の発達も緩慢で、
状況に応じて適切な会話をすることが苦手である。
しかし、
抽象的な言葉や記号に親近感を感じ、
数学や数式、記号といったもので表現された世界に
魅力を感じる。
コミュニケーションは苦手で、
読書や勉強で知識を得ることがむしろ救いになり、
逃げ場になる。
理詰めで議論したり、相手を説得したり、
説明したりするのは得意であると記述されています。
自然学園が、今まで取り組んできた、
生徒のアセスメントの結果分析を
非常にわかりやすく解説されている内容なので、
一部要約して引用させていただきました。
『バンブーだより12月号』
「学園長コラム ~可能性のとびら~」より抜粋