思春期外来にかかる不登校生徒の状況について①
2014年12月6日
精神科の思春期外来や
民間の心理相談室には
いろんなお子さんがいらっしゃいます。
その中には
学校に行けないことを第一の主な訴えとして
いらっしゃる方も多くいます。
しかし、同じ「不登校」でも、
その原因は様々です。
精神科にいらっしゃるケースですので、
まず、なんらかの精神的な不調が
背景にある場合があります。
無気力や無関心の強いうつ状態、
人前に出ることへの強い不安、
手洗い強迫や不潔への恐怖、
睡眠のリズムの乱れなど
様々な不調が不登校の原因となり得ます。
症状にもよりますが、
学校だけでなく生活の様々な面に
支障が生じていることが多いと感じます。
よって、いたずらに登校を励ますのではなく、
休養に加え服薬や心理療法などの治療が
必要だと判断される場合がほとんどです。
これらの精神的不調の原因となる出来事やストレスは
必ずしも学校に関連しているとは限りません。
思春期は多感であり精神的にも不安定な時期のため、
精神的な不調が起きやすいといえます。
次に、精神科に関わる不登校の背景として
発達障害やその傾向を有した特性が
考えられる場合があります。
不登校が生じた時点での診断の有無は
関係ありません。
それまで指摘されたことが無くても
不登校に悩んで精神科にいらっしゃった結果、
発達障害が明らかになるケースもあります。
発達障害のお子さんの多くは、
学業不振か人間関係がうまくいかない事を悩んで
不登校になる場合が多いように感じられます。
学業については、段々と難しくなる勉強に
ついていけなくなることだけでなく、
科目ごとに先生が変わることや
単位制というシステムが悩みとなることもあります。
人間関係においては、
複雑さが増すことや人間関係の拡大、
恋愛関係の始まりが契機となり、
友達との関係の悩みが生じやすい時期です。
その他、部活動での上下関係の在り方、
学力・進学重視の教育に理不尽さを強く感じることで
不登校につながる場合もあります。
『バンブーだより11月号』
学園長コラム~可能性のとびら~ より抜粋