未就学児特集 ~乳幼児検診について~
2013年1月18日
赤ちゃんが生まれると、市町村によって定期的に、
乳幼児健康診査が行なわれます。
健診では、子どもの成長を調べたり、
育児に関してアドバイスを受ける場となります。
この乳幼児健診の最後に、
3歳児健診があります(小学校入学前の就学前検診を除きます)。
3歳とは、自我が芽生えて、親への依存状態から抜け出して、
社会性を身につけ始める大切な時期です。
走る・跳ぶなどの粗大運動や、積み木を組み立てたり、
まねをして丸や点を書いてみるなど
微細運動ができるようになってきます。
また、自分の名前や年齢が言え、食事や排せつ、
衣服の着脱などの生活習慣も確立してきます。
3歳児の健診は、発達の遅れや疾病の芽を発見し、
早期の治療へ結び付けること、
子どもの状態と親からの関わりなどの環境要因に着目し、
健康な生活習慣の獲得につなげること、
不適切な養育に陥る家族に、
子育て支援の関わりをもつチャンスにするなどの意義があります。
この健診を行なう際、発達の指標として
「DSM-Ⅳ-TR」が参考にされています。
「DSM-Ⅳ-TR」とは、アメリカ精神医学会(APA)による、
「精神疾患の診断・統計マニュアル」のことを指します。
DSMの特徴としては、症状に着目して
分類をすることが挙げられます。
観察可能な症状に対して具体的な基準が用いられ、
その基準のうち「いくつか、あるいはすべて」を満たしたときに
診断が下されるようになっています。
そのため、専門家による診断のばらつきが、
最小限になるようにしてあります。
また、「多軸システム」を採用しており、
1つの問題だけを評価するのではなく、
一般的な身体疾患や、様々な心理社会的要因を考慮しながら、
疾患を総合的に理解することができるようになっています。
早い段階で子どもの発達の遅れや障害に気づけることで、
早期の対応をすることができるようになりました。
そうして子どものことを周りが理解していくことが、
子どもの未来も明るいものにしていくのだと思います。
~バンブーだより1月号より~