自然学園のキャリア教育
2014年1月27日
自然学園では、
1年生からキャリア教育を推進して、
「自分には何が向いていて、何ができるのか。」
「働くことの意義はなにか。」
「働くとは具体的にはどういうことなのか。」
について就労体験を通しながら具体的に考えさせ、
自分なりの答えが導き出せるような
キャリア学習に関して、
3学年を通した継続的な指導で実践しています。
自然学園の大学進学の子どもたちの中に
それぞれの大学を希望するうえで、
単に偏差値や入学できる大学を
進路選択の条件にした生徒は、一人もいません。
それぞれが以上のことを考え、
自分の適性を考えた上で、
できる仕事・やりたい仕事の
将来的なビジョンを見据えて、
その資格を取得し、
将来的に希望する就労に実績がある大学を
選ぶようすすめました。
就職希望者においても、
一般就労を選択するか、療育手帳や
精神障害者保健福祉手帳を利用しての就労なのかは、
同じようなビジョンに立って選択していくことが
原則になります。
2011年1月に、
中央教育審議会がまとめた
「今後の学校におけるキャリア教育・
職業教育の在り方について」
が答申され、キャリア教育を
「一人一人の社会的・職業的な自立に向け、
必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、
キャリア発達を促す教育」と
規定しています。
そこで必要とされる4つの能力として
『人間関係形成能力・社会形成能力』・
『自己理解・自己管理能力』・
『課題対応能力』・
『キャリアプランニング能力』を挙げています。
1つめの『人間関係形成能力・社会形成能力』とは、
「他者の価値観やユニークさを理解して受け入れる」
「異なる年齢の人や異性など、
多様の他者と場に応じた適切なコミュニケーションを図る」
「リーダーフォロワーシップを発揮して、
相手の能力を引き出し、チームワークを高める」
能力などを習得することが目標になります。
2つめの『自己理解・自己管理能力』は、
自己の職業的な能力や適性を理解して、
それを伸ばそうとする能力を
習得することが目標になります。
3つめの『課題対応能力』は、
「職業についての総合的で、
現実的な理解に基づいて将来を設計し、
進路計画を立案する」
「将来設計や進路実現を目指して課題を設定し、
その解決に取り組む」
能力などを習得することが目標になります。
4つめの『キャリアプランニング能力』は、
「将来設計に基づいて今やるべき課題を理解する」
「多様な職業観、勤労観を理解し、
職業・勤労に対する理解・認識を深める」
「職業生活における権利・
義務や責任及び職業に就く手続き・
方法などがわかる」
能力を習得することが目標になります。
これらの目標に根差し、
自然学園では、
発達のつまずきがある子どもたちに、
具体的に様々な体験などを通して
それぞれの特性や能力に合った目標を持たせ、
学ばせていくことを総合学習や
ソーシャル・スキル・トレーニング・
学校行事・ホームルーム・キャリア学習講座・
企業見学会・就労実習等を通して
計画的に実践しています。
※参考図書…「発達障害の子どもと生きる」 松為 信雄 著
幻冬舎ルネッサンス新書
自然学園 学園長 小林 浩
『高等部通信 第8号』より抜粋