自閉症の新たな治療につながる可能性 ~オキシトシンの効果~

2014年1月29日

先日の新聞の記事で
「自閉症の新たな治療につながる可能性
~世界初 オキシトシン点鼻剤による
対人コミュニケーション障害の改善を実証~」
という内容の見出しを目にしました。
それは下記のような内容でした。
『自閉症やアスペルガー症候群など
「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれる
発達障害がある男性患者に、
ホルモンの一種「オキシトシン」の
点鼻薬を投与すると、
一時的にコミュニケーション障害が
改善したとする結果を、
東京大学の山末英典准教授(精神医学)らがまとめた。
19日、米国医師会雑誌(精神医学)に発表した。』
自閉症とオキシトシンとの関係性については、
以前、掲載されていた書物からの引用として、
バンブー便りでも触れたことがあります。
このことについて、
わかりやすく説明している文章を
いくつかご紹介しながら
現状をご理解いただけたらと思っています。
オキシトシンというホルモンは、
女性ホルモンの一種で
特に女性が出産するときに分泌され、
子宮を収縮させて、出産を促すとされています。
そして出産した後に、
母乳を出すように促すために分泌されるのです。
赤ちゃんがお母さんの乳首を吸うと、
それが誘因になり、
母親の脳からオキシトシンが分泌され、
母乳の合成と分泌を促進させるのです。
母親が出産し、
赤ん坊を育てることに直結したホルモンとして、
オキシトシンは昔からよく知られていました。
最近では、
このオキシトシンの研究がこの10年くらいで進んで、
オキシトシンは母親だけが出すものではなく、
母親になっていない女性も、
また男性も、年齢も関係なく、
分泌されることがわかってきました。
オキシトシンには、
末梢組織で働くホルモンとしての作用、
中枢神経での神経伝達物質としての作用があり、
また、十分に分泌されていると、
脳の疲れを癒し、気分を安定させ、
人に対する信頼感が増し、
心地よい幸福感をもたらしてくれます。
人間関係によい影響を与えるだけでなく、
ストレスを下げるのにも役立つということもわかってきました。
                      【次回に続く】
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