高校生の不登校の実状②
2014年12月12日
また、不登校のきっかけと考えられる状況を
学校側に複数回答で尋ねたところ、
「不安など情緒的混乱」が最も多く28.1%、
次いで「無気力」が25.6%、
「いじめを除く友人関係を巡る問題」が15%、
「親子関係をめぐる問題」が10.9%でした。
高校の場合は「無気力」が28.1%で圧倒的に多く
「不安などによる情緒的混乱」が18.5%と上位を占め
「いじめを除く人間関係の問題」「あそび・非行」
「学力不振」「病気による欠席」と続いています。
「不安などによる情緒的混乱」や「無気力」は、
発達障害傾向の児童生徒に見られる特徴です。
また、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」も
発達障害児童生徒に共通する、
社会不適応やコミュニケーション障害に起因する、
人間関係がうまく構築できない特性に関係した、
学校内での孤立であり、
クラスメートや学校内の生徒との
摩擦やトラブルであると、
私は思っています。
そして、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」で
悩んでいる子どもたちのほとんどは、
疎外感や、いじめに近い被害者感情を
抱えていると思っています。
発達障害の子どもたちは、
このような状況が続くことで
二次障害を発症し
「不安などによる情緒的混乱」や
「無気力」になるのだと考えます。
また彼らのつまずきの特性が、
学校の先生やクラスメートの理解を得られないことに
起因しているとも考えています。
このことは、
いじめや不登校の対象が
発達障害傾向のある子どもたちに
集中してきたことを示す
一つの大きなデータである、
と私は解釈しています。
そして、いじめに関しても
「ネットいじめ」等のなかなか露呈しにくいものが、
最近の風潮になりつつあり、
教職員が気づかないケースが80%をしめす中、
このような調査では表面化しないケースが、
非常に多くなっているように思います。
もういちど、発達障害がある児童生徒も含む
子どもたちの実態を学校が把握しない限り、
いじめや不登校問題はますます深刻化する、
と私は危惧しています。
『高等部通信 11月号』
学園長コラム~可能性の扉~ より抜粋