『10月5日(日)に、第12回体育祭を開催しました。』
2025年10月9日
小中学校の時代に運動会、学校の体育の授業が嫌いな子どもたちは、勝ち負けにこだわりパニックになったり、協調運動など感覚的なつまずきがあり、粗大運動が苦手で運動会や体育の授業で失笑を買ったり、チームが負けた責任をかぶせられたり、動きが遅れ周りに合わせられなかったりして、教員から注意を受けたりした負の記憶がある人たちが多いと思います。また、感覚過敏が強い人たちは余計、スピーカーから流れる音楽や大声、ピストルの音など耐えることができない環境が運動会にそろっています。経験を通して先入観を無くして、苦手なことにも取り組む適応力を学ぶことや、過去のトラウマから逃げない勇気や提示されている課題を受け入れ、対応できる方策を考える姿勢を育むことを思い、自然学園では体育祭を敢えて実施しています。スモールステップでの登校を進めている人は無理して参加しなくても、なんら単位には関係ありません。競技も本人希望での参加になります。
自然学園の目標である社会人として豊かな人生を歩むための「協働」や「協調」が体育祭に参加することで育まれることは確かでしょう。勝ち負けのこだわりを少しでも少なくするために障害物競走を取り入れ、脚力だけではない勝ち負けの要素を付加しました。またその際のジャンケンも負けた感を強くもたないために、旗揚げジャンケンを導入し、発達障害の特性である聴覚過敏や感覚統合の問題以外にもこだわるなど、細部にわたり考えられるだけの工夫を凝らした体育祭を心がけ、自分の意志で競技に参加することを基本に考えています。前日は雨模様でしたが、当時は秋晴れの体育祭日和で午後に近づくにつれて気温も高くなりました。また、熱中症対策のため午前中の開催にしました。
「玉入れ」では、全学年が一丸となって目標のカゴに向かって玉を投げ入れていました。「大玉ころがし」では、小学部、中学部がテニスラケットを上手くコントロールしながらゴールを駆け抜け、「障害物競走」では「旗揚げじゃんけん」で負けて、何度も戻らなければならない生徒もいましたが、最後まであきらめず走っている姿がとても印象的でした。
今年は「赤組」の勝利でしたが、勝ち負けにかかわらず、一人ひとりに得るものがあったのではないでしょうか。普段運動をあまりしない生徒たちには、心地よい疲れと、達成感が忘れられない思い出になったことでしょう。







