[高等部通信3月号]学園長より~可能性の扉~2

2020年3月19日

2、スキー教室について

スキーは自然学園高等部の生徒の中にはどうしても苦手な生徒がいます。スキー靴は、足を保護するために靴を足にフィットさせて金具を締めるため、履くときの違和感や痛みが残る人がいて、慣れてくると徐々に緩和してくるのですが、触覚の感覚過敏さが強い生徒はどうしても不快感から解放されません。斜面でのスキー板の平衡を保つために、前庭感覚や固有感覚などを脳でうまく処理できない感覚の統合の問題がある人は特に力の入れ方に偏りが出るので、足の痛みや筋肉の張りが強くなるのです。ですから、滑る前の準備運動や山歩きの傾斜の練習でリタイヤしてしまう人が少なくありません。学習のみならず運動面での支援でも特性を把握したうえでの「できる」ための支援を行っています。スキーでもスローステップでスキーを習得できる工夫をしています。去年までリタイヤしていた生徒も今年はスキー教室に参加することができました。そしてスキーを好きになることができました。苦手だった生徒の皆さんがすこしでも上達してインストラクターの先生のほめられている姿を見るととてもうれしく思っています。それにもまして苦手なことを逃げずに一生懸命取り組む姿に感動を覚えました。この姿勢こそ皆さんが、自然学園を巣立ち新しい環境で4月からスタートするのにとても大切な原動力になっていくはずです。
3年生が今までのスキー教室の経験を活かして、下級生のみんなに見本を示してくれたことによって、下級生も戸惑うことなく、お互いに決められたルールを守りながら、先生たちの指示に従って2日間楽しく過ごすことができました。

3年生とは最後の学校行事となるスキー教室の交流会では、卒業する3年生に対しての後輩からの最後のメッセージとして合唱やダンスを、思いを込めて披露してくれました。

最後は交流会参加者全員で「いきものがかり」の『SAKURA』を歌いました。一人ひとりが大声で思いを込めて歌っていました。何人もの生徒から純粋な涙が頬をつたっていました。曲の終わりには大合唱になっていました。

歌い終わった後の下級生に対してのメッセージや先生方に対しての感謝の言葉も上級生である自覚が感じられました。

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