[高等部通信9月号]学園長より~可能性の扉~2

2021年9月9日

2、新学期からの不登校生の増加について

9月に入ると台風の季節になり、気圧の関係で精神的な不安定さが強くなると言われています。昨年は休校中に生活のリズムが崩れたり、配信や家庭での課題学習で勉強に対する悩みが大きくなったり、今まで以上に学校生活に対する不安が強くなり、再開前後にその気持ちが大きくなって不登校や行き渋りが生じている生徒が多くなりました。今年もクラブ活動や学校行事の自粛から精神的に不安定でイライラを募らせている人たちが多く、些細なことでトラブルに発展するケースが多いようです。

コロナ禍となった昨年、小中高生の自殺者数が499人と過去最多になりました。昨年8月の自殺者数は65人で前年同月の約2倍になったそうです。今年の1~6月の自殺者数の合計は昨年を上回ったとの報道がありました。毎年5月の連休明けから不登校生が多くなりますが、9月という新学期が始まる時期も、毎年自殺者が多く出ることで知られています。

勉強面でも2学期を過ぎたぐらいから勉強が分からなくなって諦めてしまうお子様が多くなります。小学校では3年生ぐらいから学力不振などをきっかけに通常級から特別支援学級に移籍する発達障害傾向のお子様が増えてきています。不登校の理由として挙げられている「無気力」は授業についていけないことから学習無気力が生まれた状態です。これは嫌なことから逃避してしまう「無気力」に繋がり不登校に至るケースも少なくありません。自己肯定感の低い状況は、少しの人間関係のトラブルやからかいにも敏感に反応して情緒の混乱を招き不登校に至るケースも少なくありません。

感染者の拡大により高校生など10代の若者に対する世の中の風当たりの強さや、自粛の慣行により変化を余儀なくされた家庭生活のストレスといった、勉強以外の新たな要因も加わったことから、昨年以上に精神面のリスクの高まりが危惧されています。教員の多忙化によって兆候が見逃される恐れもあり、教育現場で緊張感が高まっています。これは高等部の生徒の皆さんも例外ではないと思っています。

お問い合わせはこちら