[高等部通信9月号]学園長より~可能性の扉~7

2022年9月22日

自然学園でのキャリア教育について

 

自然学園高等部の授業でも「作業訓練」が時間割に導入されていますが、グループ作業では、技術的な器用さだけではなく、業務上で求められる『協調や協働』のスキルが必要になります。具体的には他者との人間関係の構築や「報告・連絡・相談」の「ほうれんそう」など必要に応じたコミュニケーション能力、他の人の状況や行動を認知できる洞察力などが挙げられます。挨拶なども相手の顔色や様子などを認知したうえで的確な声掛けをすることが社会生活の中では求められます。ただ一方的に顔も上げず「おはよう」「さよなら」など言葉だけ発しても人からは受け入れられません。人間関係や集団生活をスムーズに送るために必要なマナーやルール、またはコミュニケーション力を高めて、相手を理解し協調していく力を学ぶ必要があります。

 

障害者雇用促進法に基づく障害者雇用の場合、企業は面接ではわからない発達障害の見えない障害を一定期間の実習で確認するのです。企業にとって体験就労は採用したい人材を発掘する唯一の機会なのです。中学校が実施する「職場体験」や「インターンシップ」とは企業にとって目的が違うのです。社員が日常業務を行う生産活動または営業活動を行う職場に人員として派遣されるので、それらの作業を阻害するような行為は許されません。ですから企業は学校側に、今までの信頼関係を礎にそのレベルに到達した生徒を要求することは当然のことです。

 

学校としても企業の基準に満たない生徒を企業に派遣する訳にはいかないのです。自然学園の授業はそのレベルに到達させることを目的として教員が生徒を指導しています。そこに保護者の皆さんの理解は必要不可欠です。

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