[高等部通信1月号]学園長より~可能性の扉~6

2022年1月31日

6、おわりに

2学期は学校行事や企業実習も重なり、特に9月から11月の気候の変動が激しい時期には心身の不調を感じやすい時期です。イライラすると聴覚的な過敏さが強くなったり、衝動性が強くなったりと人間関係のトラブルが起きやすい時期でもあります。不安から自己肯定感が低くなり落

ち込みやすく、自傷行為や引きこもりなど内省的になりがちな時期です。大半の人は意欲的に2学期を送り、人間的にも成長できた人が多かったように思いますが、人間関係のトラブルが生じた事例もありました。

新型コロナが落ち着いている状況が続けば3学期はスキー教室をはじめ、従来の学校行事が予定通り実施されます。入学時にご説明した通り、高等部の生徒ならば学校行事は基本的には必修行事になります。自然学園の学校生活や授業を通じて学んできたソーシャルスキルを実践として汎化できる場面が学校行事になります。このようなカリキュラムを通じて企業実習だけでなく日常の場面でも学んだソーシャルスキルを発揮できるようになります。この冬休みに2学期の自分自身の行動を振り返って、3学期を迎えて欲しいと思います。自分の欠点を自ら認め改善に努めるために気に留めておくことこそがソーシャルスキルトレーニングの第一歩です。

後期試験は、授業を通して身に付けた学習習慣が継続できるように、できる量を計りながら、無理せず、計画的に、スモールステップで勉強を進めてもらいたいと思います。それが継続できれば誰もが必ず「こんなことができるようになったんだ」「今までできなかった問題が解けるようになった」と実感できるようになるでしょう。

彼らが学校や社会に適応するための第一歩は、周りから受け入れてもらおうとする意志力だと私は思っています。その意志力は、少しずつの自信の積み重ね、言い換えれば、成功体験の積み重ねから生まれるものです。この積み重ねを続ければ、教科書やレポートの問題も必ず解けるようになることでしょう。大切なことは、どうせできないからやってもしょうがないと言う気持ちを持たないことです。自信を持って、今できることを一つひとつ積み重ねてください。

皆さんの幸せを祈ってメリークリスマス。

自然学園学園長 小林 浩

お問い合わせはこちら