[高等部通信11月号]学園長より~可能性の扉~7

2021年11月22日

7、発達障害がある生徒が就労するために必要とされること

企業が具体的に要求していることは挨拶と「報・連・相」です。組織の基本はコミュニケーションであり、依頼を受けた業務の目的を共有し、個々の努力が全体の利益に結び付く意識をもって業務に携わることが求められています。目的を共有できることで一人ひとりがどのような動きをしたらいいかがわかってきます。そのことがグループワークの基本であると私は思っています。お互いに他者の業務の進行状況まで気を配ることができ、情報を共有しながらグループに課せられた業務目標を所属するメンバーが理解したうえで、個々の役割分担を忠実に遂行することが求められてくるのです。

一人のミスは全体の利益に影響してくるので、ミスをした状況を把握してそのミスの影響を極力軽減するためには、その組織や部署、グループやチーム全員の理解が必然で、そのため「報告、連絡、相談」が重要なのです。作業の滞りはグループ内でケアできる人がグループリーダーの指示のもと担当します。日頃からの挨拶やコミュニケーションがあって人間関係が構築され、スムーズにグループワークが連動する原動力になるのです。

よくいわれるソーシャルスキルはこのように組織的な動きをするために、なくてはならない能力です。発達障害の特性である『マイルールの強さ』や『「心の理論」といわれる人の気持ちを理解する力』や『「認知の偏り」による洞察力の弱さ』、『衝動性や不注意性の強さ』はソーシャルスキルの妨げになる要因ですが、これらのつまずきを自身でも認識し、その対処方法を実践の中で学んでいければ克服することは十分可能であると私は思っています。

このようなスキルを身に着けるために、どのようなことを学校や家庭で学ばなければいけないのかを、11月6日(土)に、14時より自然学園の校舎で特別講演会として『社会に出たら求められる5つのルール~家でもできるキャリア教育~』をテーマにお話しさせていただくつもりです。

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