[高等部通信11月号]学園長より~可能性の扉~6

2021年11月18日

6、発達障害がある人が働くための現状

最近特例子会社をはじめ障害者雇用を積極的に行っている企業に訪問する機会がよくあります。在籍生の企業実習の打ち合わせや卒業生が働いている企業への定着支援や企業説明会への参加など目的は様々です。多くの企業を訪問する中で採用に関するお話を伺うと、共通した職場で必要とされる企業理念がいくつか見えてきます。

今年の3月より障害者就労の民間企業に課せられた法定雇用率が2.3%に上昇しました。2005年からの発達障害者支援法の施行から精神障害者が企業の法定雇用率に組み入れられ、2019年に企業での精神障害者の雇用が義務づけられたことで、障害者が働く企業風土が大きく変化してきたように感じています。特例子会社であっても企業の目標として利益の追求を理念として掲げています。企業としては利益の追求は必然であり、特別支援学校の生徒を受け入れている企業や、知的障害者の雇用が中心の特例子会社であっても、採用後の業務内容として頭脳労働が中心であるため、身体障害者が能力次第で比較的採用されやすいのに対し、それ以外の知的・精神障害者を採用している特例子会社が少ない現状がそれまではありました。

特例子会社の特色は障害の特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備をすることで障害者の能力が発揮しやすいことが挙げられますが、採用の確保数が多くなればそのことに支出が多くなり経営的な負担が多くなります。現在の企業の現状としては法定雇用を充足できない大手の企業は企業名の公表を厚生労働省がペナルティーに掲げているため、充足するための大規模な採用の義務が企業に課せられています。このような背景から発達障害者を中心にした精神障害者の採用の割合が障害者雇用の多くを占めるようになり、発達障害者支援法施行後に大きく変革しました。

利益を求めるためには、組織的に業務を実践することが職員にも求められます。グループワークで必要とされる人との関わりは避けて通れない必然とされることのなっているのです。

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