[高等部通信12月号]学園長より~可能性の扉~1

2021年11月29日

1、はじめに

立冬を過ぎた頃から肌身に寒さを感じるようになり、秋の深まりを実感しています。11月6日(土)、11月7日(日)にかけて自然学園の学園祭である『思いやり収穫祭』を実施しました。8月からピークにあった新型コロナの感染拡大で『思いやり収穫祭』も開催が危ぶまれましたが、体育祭同様大幅にプログラムを変更して、どうにか開催にこぎつけることができました。何とか開催したいと考えていたので自然学園を支えていただいている保護者の皆さんのご理解ご協力に深く感謝しています。現在は、感染拡大も収束してきている状況で、良いタイミングで開催することができました。「音楽祭」も「模擬店」も制限がある中で、生徒一人ひとりが今までに負けない学園祭にしようと精一杯考え抜いて工夫した内容になりました。しかし、コロナ禍で入場を制限したため、生徒たちの努力をたくさんのお客様には見せることはできませんでした。それでも参加した生徒の皆さんの心にはいつまでも忘れられない尊い何かが残ったと思います。

初日は春日部市民文化会館の小ホールをお借りして音楽祭を行い、校舎では、生徒の作品などを展示した展示会および発達障害がある子どもたちのキャリア教育をテーマにした講演会を実施しました。音楽祭でお借りした春日部市民文化会館の小ホールは、コンサート会場でも使用されている会場です。感染対策のため座席数を減らした中でも多くの保護者の方がご観覧できる会場スペースの確保と、保護者の方を中心としたお客様にもダンスや手話など生徒の動きや表情が見やすい照明や舞台での演出しやすさと、使いやすさを考慮して、この会場を選定しました。

2日目の日曜日は、校舎で模擬店や在校生徒による作品展示会と特別企画『僕たちの未来』卒業生座談会が実施されました。

高等部3年の皆さんは、これから企業実習などの就職活動を控えて落ち着かない日々を過ごしている人もいることと思います。努力をした人は必ず結果がついて来ているはずです。また、企業から採用の内定通知が届き、4月からの企業への入社が決定してほっと胸をなでおろしている人たちもいるでしょう。少しずつ進路が決まり始めてきました。私は3年生の皆さん全員がそれぞれの希望されている進路に落ち着いてくれることを希望しています。

クラスメートとは一つのチームです。クラスメート全員の進路が決定してゲームセットです。クラスで力を合わせて戦っている途中で、自分だけ進路が決まったからと言って身勝手な振る舞いをしたり、チームの戦いから離脱したりすることは許されません。チームメートとして、これから戦いを控えている仲間に精一杯の声援とできる限りの支援を届けてください。それが皆さんに3年間かけてお伝えしたソーシャルスキルであり、人としてのあり方です。「自立」とは周囲の人がその人の存在を認め、周囲の人に認められながら、尊厳ある人としてその人らしく生きることを言います。3年間過ごした自然学園という学び舎に居場所を感じてきた3年生の皆さんならこの意味は理解できると思います。そして皆さんが育んできたクラスメートとの友情はこれから皆さんが社会に出るうえかけがえのない財産になることでしょう。

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