[高等部通信4月号]学園長より~可能性の扉~⑦

2019年6月18日

7、発達のゆがみ
社会性の育ちは乳幼児が母親との関係の中で、乳幼児にとって自分に気が付いてくれる人は必ずそばに『いてくれる』ことで母親に対しての信頼につながり、母親と乳幼児の相互関係において自分の存在価値に気が付いていくのだそうです。母親との信頼関係において生まれた安心感、安全感が他者との関わり、人とつながる力になり社会性を育むとされています。また自分は『いても良い』存在として扱われることで自尊感情が生まれ自己肯定感を育てていきます。そして自分を見てくれる人の間の相互性があること(相互性の気付き)が、自己を抑制でき安定した気持ちの維持につながり、自己のコントロールができるようになります。

家庭と学校は子どもたちにとっての心の成長の場となります。いずれかに自分の居場所を見出すことができないお子様は、発達のゆがみが生じてきます。「人見知り」は生後6歳前後で始まり、安全でない人を感じ取る力がついてきます。母親との関係を自分の安全基地にいれ、自分の大切な人と感じ取ることで、はじめて見知らぬ人に関心を持ち人とつながる広がりが出てくるそうです。このような関係がうまくいかず、心の発達が歪んでしまうと愛着障害などお子様の目に見える問題行動が強くなると言います。
また小学校5、6年生から体の成長が始まり、中学生、高校2年生あたりまでを思春期と言います。思春期は心の成長に伴い、自分自身と向き合いながら新しい自分を認識し、自分らしさを確立する時期でもあります。その時に他者への羨望など自分自身との葛藤に悩み、第二次反抗期とかさなり、親への反抗が強くなる時期です。家庭や学校に自分の居場所がなく発達に歪みが生じているお子様は、大人や社会への反抗が問題行動として表れてきます。
このようなお子様に特有の反抗行動を解説していただきながら、またこのようなことを避けるために保護者(療育者)の皆様はどのようのお子様と向き合い、関われば良いかを児童精神科医の立場から海老島先生にお話ししていただきたく講演をお願いしました。一人でも多くの人にお聞きいただければ幸いです。ご来場お持ちしています。

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