[高等部通信4月号]学園長より~可能性の扉~⑨-2

2019年6月28日

自然学園高等部に在籍している生徒の皆さんは、どちらかと言うと人の気持ちを読み取ることが苦手な人たちです。自分ではそうではないと思っていても、クラスメートからは自分勝手でわがままだと思われている人も少なくないでしょう。人の気持ちを読めない能力には、生まれながらにもっている性格やつまずきとされる特性も起因していることは事実ですが、それだけではありません。自分自身に自信がなくてコンプレックスが強く、自己肯定感が少ない人たちは、その裏返しとして自己主張の強さや他者への攻撃性が、自分の気づかないところで強くなります。

そうだとしたら、それを改善するにはどうしたらよいでしょう。それは自分自身に自信をつけることが一番有効な方法になります。自分自身には自分でも気づかない、いいところ、悪いところ、できること、できないところがあります。できるところには、自分では気づいてないだけで他の誰よりも優れているところ、他の人ができないことができることもあるのです。そのことに気付かせてあげること、できることを褒めてあげてもっとできるようにしてあげること。そしてなるべく多くの成功事例を積み重ねることで自分にできるという実感を植え付けていくことが私たちの役割だと思っています。このことが自己肯定感の高さにつながります。それは『自信』となります。人間関係も自分に自信があれば、自尊心が高まり、心にゆとりが生まれてきます。心のゆとりは、他者を許し、他者の要求や他者の気持ちを、自分の主張より優先させてあげる気持ちのゆとり心の大きさにつながってきます。そのことができれば必ず人間関係が今よりうまくいくようになるでしょう。
クラスでもお友達が多くなり、自分を助けてくれたり、認めてくれたりする人たちが多くなり、充実した学校生活を送れるようになるでしょう。そのことは将来の就労するためのスキルと直結するのです。

高等部は、皆さんに自信を持たせるお手伝いをして、皆さんが社会に参加できる力を育む学校です。そのために、お預かりしたお子様の特性を判断するために綿密なアセスメントを自然学園の基本コンセプトにさせていただいています。そして高等部のソーシャルスキルトレーニングの授業や学校行事の活動が大きな役割を果たしているのです。このことは後で少しお話しさせていただきたいと思っています。

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