[高等部通信10月号]学園長より~可能性の扉~④-2

2016年11月18日

自然学園の体育の授業では、できないことをできるようにする一人ひとりのつまずきに応じた課題を克服する支援から始めていきます。たとえば、跳び箱が跳べない生徒なら跳べるようにするには何が必要なのかを提示していきます。手をつく場所、踏み切る位置を手のマーク、踏み切る位置を足のマークで示してスタートから踏み切るまでの歩数と速さを指導します。        
そして跳んだときのバランスの悪さを矯正し、体を補助してあげれば大抵のお子様は跳べるようになります。跳べた事実を精一杯褒めてあげて、そのあと何度も自分自身で練習する意欲を育むことが何よりも大切なことです。跳び箱を跳べないお子様が体育を嫌いではなくなる合理的配慮が必要になるのです。

このような体育の授業を実践した結果、体育の授業を休んだり、見学したりする生徒が少なくなってきました。このような生徒の皆さんは、自分の課題に合った無理のない自分に合った体育ならやりたいと思っている生徒がほとんどあり、本質はどの生徒も体を動かすことは好きであると言う確信を私自身、持つことができました。

そして満を持してみんなが参加できる体育祭に踏み切ったわけです。嫌なことのトラウマは成功事例を積み重ねることでしか払拭することはできないでしょう。自然学園の体育祭がきっかけで学校行事や学芸会、運動会、音楽祭などの苦手としている気持ちが少なくなることを願っています。そんな意味では、午前中だけではありましたが、どの生徒の皆さんもあきらめずに前向きに一生懸命取り組んでいました。自分のチームの勝利に貢献しようと自分を犠牲にする気持ちや、他者を生かして勝利を得るためのチームプレイを自然に学ぶことができたように思いました。大人になるために一番必要なことを個々に学んでくれた気がしました。
とても有意義な体育祭でした。皆さんご苦労様でした。 (5、に続く)

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