[高等部通信10月号]学園長より~可能性の扉~⑧

2018年12月4日

8、おわりに

先日、自然学園高等部では、秋の風物詩である稲刈りを毎年の恒例行事である農業体験授業の一環として実施しました。秋晴れに恵まれた田んぼにコンバインの音が遠くから聞こえてくる長閑な春日部の田園地帯の一区画を農業実習のためにお借りして、昔ながらの鎌での稲刈りを経験させてもらいました。
 
稲を手刈りすることも角度や力加減などが難しく、見ることとやってみることでは大違いです。今のお子様方は、昔に比べてはるかに視覚教材やテレビゲームやタブレットのソフトなどバーチャルで経験できる学習に恵まれています。でも頭の中の理解や五感も含めた感覚統合を働かせて感じ取った経験が不足している子どもたちが多いように思います。
鎌を振りおろし、稲穂を束ね、天日干しする作業に汗をかき、枯草の匂い、ほほにあたる秋風のさわやかさなど実際に体感することで、イメージが湧いて深く理解できることが世の中にはたくさんあります。ご飯や野菜を口にしたときのありがたさは、口で言っても理解できるものではありません。このような授業が、自然学園の理念を実践している教育の一端です。
 
高等部では、10月16日の火曜日にさつまいも堀を農業実習として、9月の稲刈りに引き続き実施しました。自分で収穫したさつまいもを、焼いたり、蒸かしたりしながら、食べる味は格別だと思います。稲刈りのあとでいただいた塩むすびがどんな具を入れたコンビニのおにぎりよりおいしいと感じたのは、私だけではないはずです。今回は、収穫したてのさつまいものおいしさを感じてくれればで、農業実習は成功だと思っています。深まる秋に一日一日を大切にしながら一つずつ、一歩ずつできたこと、楽しい思い、充実した満足感を積み重ねて成長につなげてほしいと思っています。
自然学園学園長 小林 浩

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