[高等部通信10月号]学園長より~可能性の扉~5

2021年10月14日

5、前期学力考査の評価について

1・2年生の皆さんの中には試験を終えてホッとしている人もいるでしょう。特に1年生の皆さんは、初めての学力考査でかなりの不安を抱えていた人も多かったように思います。夏休み中から緊張していた人も少なくないようです。勉強に関しては自信がなくてコンプレックスを抱えている人もいるでしょう。

勉強は人に評価され、人と比較されるために身につけるものではありません。自分ために行うものです。高校の場合、単位認定に直接結びつくものです。単位認定とは、卒業するために必要な履修教科の学習が規定通りに修得できたことが認定された時に出されるものです。3年間以上の在籍の場合、認定数の合計が74単位以上で高校卒業資格が得られます。全日制の高校の場合は、学年制毎に取得認定数が決められているので不足した場合は進級卒業ができない場合があります。そのための大きな基準が授業の出席日数と学力考査の結果であるわけです。

在籍生の皆さんには入学説明会や入学前ガイダンスでもお話しした通り、通信制高校の単位認定はレポート課題の提出と、スクーリングと言われる面接授業の出席が必修になっており、認定されている視聴覚学習で10分の6まで補うことは可能です。しかし、年に20時限程度のスクーリングの出席を満たせず、レポートの提出ができなかった場合は、学力試験を受けられない通信制高校がほとんどです。現在の通信制高校は各地域に学習センターを設けて授業形式で自学自習を補っている現状があります。その場合授業の出席がスクーリングに相当するのです。(細かい規定は技能連携校及び学習センターで設けられています。)

そして、前期学力考査、後期学力考査の結果を踏まえて単位認定および卒業認定が行われます。

学力考査の内容は、レポート課題に準じて日頃の授業で説明している内容や演習課題から出題されました。授業内容が理解できている人は、必ず解答できる出題になっています。認知の偏り、文字を目で追うことに苦手さを感じている人や、書くことに苦手さを感じている人などに配慮した設題を心がけています。自然学園の学力考査は分かったことが「できる」に結び付く、努力したことが得点に反映する設題を提示できるように各教科の先生が心がけています。

評価に関しては、一人ひとりのつまずき毎に合理的配慮をしたうえで提示したテスト内容の得点が基礎になり5段階の基準で決定しますが、当然レポートの提出状況、レポートの得点、授授業の出席状況及び授業態度が評価に加わります。

授業の出席日数は全日制高校と違い、各教科における授業時間数中3分の1の欠課時数での足切りはありませんが、通信制高校に定められたスクーリングの出席日数の下限を満たすことは単位認定の条件になります。

1年生はもちろんのこと2年生、3年生も、中学校の学力考査とは違った姿勢と緊張感をもって単位の認定を目標に試験に臨んだことと思っています。得点で評価されることや、試験が苦手で中学校の試験は受けなかった生徒も勇気を振り絞って自分のつまずきや弱さと向き合って戦ってきたはずです。皆さん本当によく頑張りました。

皆さんの今回の結果は学年評価として年度末に発表されます。基準点に満たなかった赤点の人は一人もいませんでした。皆さんご苦労様でした。

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