[高等部通信10月号]学園長より~可能性の扉~7-1

2021年10月21日

7、第13回自然学園思いやり収穫祭のご案内

今回で13回目となる自然学園の学園祭である『思いやり収穫祭』を11月6日(土)、11月7日(日)に行います。今回の『思いやり収穫祭』も、昨年同様感染拡大が危惧されているコロナ禍での状況で実施を迷いましたが、生徒がグループワークを学ぶ最良の機会であり、まだ新しいクラスに馴染めず緊張が強い1年生の皆さんのクラスが一つにまとまることができるきっかけになればとの思いが開催決定の大きな理由の一つになりました。また協働での取り組みで、お互いのことを今以上に理解してほしいと思っています。自然学園に在籍している生徒の皆さんは誰でもできることできないことを抱えて、周りからそのことを理解されずに辛い思いをしてきた人たちです。まずはクラスメートからの理解を入学した誰しもが欲しているはずです。2年生は目に見えてわかる成長をさらに伸ばす機会にしてほしいものです。今まで自立に向けて努力を積み重ね、実践する力を育んでいる3年生にとっては最後の学園祭になります。3年生の最後の学園祭での姿をこの目に焼き付けたいという思いも開催を決意した理由の一つです。もちろん3密防止に最大限配慮した内容になるので模擬店の出店や音楽祭の内容は大きく制限されることになります。保護者の見学も初日の土曜日に限らせてもらいます。保護者の皆様にはご理解をお願い申し上げます。

13回目となる自然学園の学園祭も、秋を彩る一大行事として定着してきました。今年の『思いやり収穫祭』のテーマは『協力』にしました。

新型コロナウイルスの変異種であり感染力の高いデルタ株の猛威による感染拡大で、全国のコロナウイルス感染症に対処できる病棟の確保が困難な状況に陥っています。そんな中で小中学校の児童生徒への感染拡大もあり、10代、20代の感染と30代、40代の感染における病棟の確保が懸念されている現状において、感染防止に対する一人ひとりの意識が問われています。

「協働」や「協生」は造語ではありますが、協働は人と協調、協力しながら働くことという、グループワークに欠かせない人と関わりながら働くことを表現する言葉です。また「協生」は、『共生』という、様々な人々が分け隔てなく暮らしていくことを意味した福祉的な言葉です。しかし、私はあえて、協力しながらこれからのコロナ禍における、またコロナ後の社会を暮らしやすくしていく、切り開いていくという意味での「協生」でこの言葉を使うようにしています。自分自身の利害しか考えられず、周りの不利益を顧みない行動が目に余るような現代の風潮から、地球規模での広い視野に立った言動が個人の責任として課せられる未来に変わらざる得ない岐路に立っているように感じます。そのような思いを込めて今回のテーマを『協力』にしました。

『思いやり収穫祭』は小・中学部、高等部、大学部、全学部が参加する大きなイベントとなっております。生徒の皆さんには、「クラスの協力を第一に自分の適性を生かしながらクラスに貢献し、不得意なところはお互いかばい合い補うこと」、「クラスの一人ひとりに気配りをし、お互いに敬意を払い、認め合うこと」。これらのことを、学園祭を実行するうえでの目標におくことを教職員の先生方から伝えてもらうようお願いしました。

人の生きがいや喜びは一人では得られないことです。他者と協力し、気持ちを分かち合うことで生まれてくることです。異なった個性や能力的な凸凹、苦手さを持っている在籍性の皆さんがお互いに認め合い、それぞれの欠点を補い合うことで日ごろから目標としている『協力』『協働』を実践できたことになります。その時はじめて、皆さんはその場所に自分の居場所を感じるでしょう。

今回の『協力』というテーマを理解し、思いやりの気持ちを持って他者を大切にする気持ちを持つことが「思いやり収穫祭」の最大の目標です。生徒一人ひとりがそのような自覚を持って取り組んでくれれば、それ以上素晴らしいことはないと思います。

バンブー教室の子どもたちは昨年同様、スクラッチアートを学園祭の展示で飾る予定でおります。日頃のバンブー教室の授業内で、担当の先生の指導のもと、一人ひとり個性的な心のこもった作品が見られることでしょう。

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