高等部通信11月号 ◎学園長より ~可能性の扉~-5

2023年12月25日

5、第15回自然学園『思いやり収穫祭』特別企画:卒業生座談会「僕たちの未来」

 11月5日(日)は、卒業生座談会『僕たちの未来』を、今年も「働いて知ったうれしさ~僕はこうして大人になった~」として題して実施しました。現在企業で働いている卒業生の思いを講話形式でお伝えする企画で、毎年『思いやり収穫祭』2日目に実施しています。コロナ禍で2年間中止しましたが、昨年から再開しました。今回は、令和2年度に自然学園を卒業して社会に巣立っている3名をお招きし、今現在の自分のこと、今取り組んでいることや仕事のこと、職場での人間関係のことなどを話してもらっています。過去の自分のつまずきと向き合いながら、周りの上司や同僚、そして家族に支えられて自分がどう成長したのか聞きました。特別支援教育を必要としているお子様方が将来的な自立を目標として、学校教育から「働くこと」をどのように学び、そして、どのようにキャリアを重ねていけば良いのか。進路選択における適切なアプローチの答えとしてご参考にしていただければ幸いです。

 小学校や中学校でのいじめや、先生、クラスの対応が心の傷として今でもトラウマになっていること。しかし、自然学園高等部に入学したことで、学校に対する嫌悪感や不信感が払拭され、就職に向けて具体的な目標を見出すことができたことや、社会に出るために必要なスキルを、学校生活を通して身に着けることができたことなどの話がありました。現在も会社や社会適応するために様々な苦労があることなど素晴らしい話をしてもらいました。それぞれの卒業生が、いまだに人間関係の不安を抱えながらも、自然学園の高等部で培った経験を自信に変えながら、一つひとつの困難さに自分なりの方法で向き合い乗り越えていくことで、希望を抱いて社会で奮闘している姿を見ることができ、座談会の司会を務めていた私の胸も熱くなりました。自分自身のつまずきや、そこから生じる誤解や周りの人たちの理解の無さと日々戦いながら業務に取り組んでいる卒業生の姿を思い浮かべて、私も勇気をもらいました。彼らにとって、自然学園高等部は知らない世界に挑み続け、初めて出会った人たちと関係を築き、自分の新しい世界を広げていくために必要な安全基地のようなものだということを私自身も改めて感じました。

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