高等部通信11月号 ◎学園長より ~可能性の扉~-6

2023年12月26日

6、おわりに

例年にない暑い秋が、立冬を境に真冬を感じさせるひんやりとした冷たい空気に変わりました。目覚めと同時に冬の訪れを感じます。本来ならば紅葉真っ盛りの秋の情緒に浸りたい11月のこの時期ですが、今年は紅葉の見頃も遅れているようです。今年は来月からの本格的な冬のシーズンに突入する前に、なんとなく寒い冬になりそうな予感を感じさせる現在の気候です。冒頭にお話ししたように、コロナに代わり現在はインフルエンザが猛威を振るっています。感染力が強く、胃腸の不調を感じている人も少なくないようです。2学期は、「体育祭」に始まり、「思いやり収穫祭」、「芸術文化鑑賞会」と学校行事が目白押しで、それだけ疲れが蓄積されていると思います。そして最後に「クリスマス会」が予定されています。皆さんは学校行事の趣旨をよく理解して、常に全体を意識しながらお互いにコミュニケーションをとり、連携することができていました。指示をよく聞き、周りに合わせながら一生懸命参加することができていたと思います。

加えて3年生は、就職に向けての企業実習や面接で非常に忙しかった人たちが多いことでしょう。今日まで自然学園で学び続けてこられた自分自身に自信を持って挑む姿を見て、面接練習などを見させてもらった私も、次々と入る内定や進路決定の知らせを大変嬉しく思いました。もう小中学校時代の自信がなかったあの頃の自分とは全く違ったあなた方の姿がここにあるのです。3年生の全員の進路が決定するまで応援するので、皆さんも決してあきらめないで後に続きましょう。

3学期は学力考査を各学年とも控えていますが、風邪など引かずに有意義な冬休みを過ごしてください。2学期も残りわずかになりましたが、最後まで気を抜かず、クリスマス会の準備に励んでください。

 10月に発表された2022年度の不登校の児童生徒数の実態調査では、過去10年間、増加傾向は止まらず、全国の小中学校の児童生徒の約30万人が不登校である現状が報告されていました。これは過去最高の統計となります。教育機会確保法の成立以降、フリースクールなどに在籍している児童生徒が増加していることも要因として挙げられますが、学校との関わりも一切なく、地域の支援機関やフリースクールなどを全く利用していない児童生徒の割合が不登校生の約4割を占めているそうです。このことは次回の高等部通信新年号で詳しく触れたいと思っています。

コロナやインフルエンザだけではなく、心の健康にも注意しながら、深まる秋を抱きしめて充実した毎日を過ごしてください。『思いやり収穫祭』の趣旨をご理解いただき、ご協力ご賛同を頂いた保護者の皆様にもこの場を借りて深くお礼を申し上げます。

自然学園学園長 小林 浩

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