[高等部通信2月号]学園長より~可能性の扉~⑤

2017年4月26日

5、自然学園高等部の就労に向けた取り組み

自然学園では、「自分には何が向いていて、何ができるのか。」「働くことの意義はなにか。」「働くとは具体的にはどういうことなのか」について企業見学会や就労体験を学習カリキュラムに組み入れながら、具体的に考えさせ、自分なりの答えが導き出せるような1年次から3学年を通した継続的なキャリア教育の推進をめざしています。

企業体験で働くことの意義が理解できたら、その後どのような目標をもって3年間過ごしていくかがキャリア学習のポイントになります。ひとつずつ習得しなければいけない課題をクリアするにつれて、自分の目標がはっきりするはずです。その積み重ねが、就労スキルを育み、企業に実習を通じて働きぶりが、求めている人材として認められれば就労の実現にまた一歩近づきます。就労するために必要な授業を、キャリア学習授業として年間の学習計画に組み入れています。各学年の時間割は、一人ひとりの将来的な自立を考えた実践的なカリキュラムを導入しています。

そして先程から何度かお話しさせていただいている通り、働くうえで必要とされるマナーやスキルを学校生活や学校行事を通して身につけることを高等部の教育目標として、学校教育に取り組んでいます。

発達障害者のこれからの傾向としては、発達障害傾向の生徒の特性を踏まえたうえで、彼らの集中力や作業における正確性を高く期待した事務系の求人が中心になるように思います。A5用紙に順番に書かれた配送品を個数、順番を確認し、宅急便の袋に挿入し配送する仕事や保険会社の顧客名簿の作成など業務などの求人など仕分け、名簿の作成、伝票整理、DMの発送、名刺、会社案内の印刷、製本等の事務系業務の求人が多くなっています。この流れは、企業が発達障害者の人たちを理解し、企業の新規戦力として期待している大きなうねりが始まったような気がしています。以前お話しさせていただいた通り、障害者雇用の主役になる精神障害者の雇用が平成30年の精神障害者の雇用義務化とあわせて今後、発達障害者の企業への就労が大きく拡大していくことを期待しています。

高校3年生の皆さん、採用を勝ち取るために企業での実習を頑張ってください。そして最後のスキー教室を思いっきり楽しみましょう。

自然学園学園長 小林 浩

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