[高等部通信2月号]学園長より~可能性の扉~6

2022年2月25日

6、保護者の皆さんにお伝えしたいSNSの利用の仕方

保護者の皆様にも注意してほしいことはスマホのSNSのトラブルから不登校やいじめにつながる中学生、高校生が非常に増えていることです。

先にご説明したように、スマホの利用時間は22時から24時に集中しています。自分の部屋にこもり、嫌なことを思い浮かべて悶々としている時間と利用時間が重なっているので、学校での人間関係トラブルやクラスメートの不満(恨み・嫉妬等も含む)、自分にとって許しがたい行為などを、SNSを使って自分の言いたいことを一方的に送りつけて、他者を攻撃しようとする人が多いようです。特に彼らはグループに所属していて他の人たちが自分の打った文章が、他の人からどのように理解されるかを考える余地もありません。自分の意見だけ一方的に主張します。また「なりすまし」や匿名での投稿も多いようです。それが拡散するので、クラスでは犯人探しが始まり、周りとの確執を生みます。これが要因で人間関係の大きなトラブルになっているケースが非常に多いのです。いじめに繋がることや人間関係の不安が情緒の混乱を招くケースは少なくありません。

自然学園に入学してきた生徒は、一般の高校生と同じような人間関係の構築を学校生活に求めている人たちです。友人ができたこと、その友人とSNSで繋がっていることは、彼らの登校意欲に繋がっています。保護者の皆様もそのようなお子様に制限を加えたくないと思われている方々が多いと思います。だからこそ、それぞれの家庭で安全なスマホの利用の仕方を話し合い、正しく利用できるような約束事を作って欲しいと思っています。家庭内での話し合いが、お子様のネット利用の安全意識を高めると言われています。現在では、保護者と高校生がスマホ利用について話し合うことが高校生のスマホ利用の原点だと認識されています。ぜひこの点に関して保護者の方のご協力を仰ぎたいと思っています。

また、自己肯定感の低さやコミュニケーションに対する苦手さを改善していくことも重要です。ワーキングメモリなど認知の凸凹や感覚統合の問題など、情報がうまく処理できずに作業がうまく消化できないことや、コミュニケーションの苦手さを自分の欠点として受けとめて自覚することが企業からも望まれる社会参加のための大切なスキルになります。つまずきを受け止めることができないと、特性の一つである自己評価の高さから責任転嫁や、自分を批判した人に対しての攻撃性、自分を取り繕うための虚言などの負の行動が頻発するようになります。

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