高等部通信4月号 学園長ブログ~可能性の扉~-3

2023年5月18日

4、入学式

入学式式辞を一部省略・編集した文章を掲載します。

【ベストセラーになったノートルダム清心学園前理事長である渡辺和子先生が著された『置かれた場所で咲きなさい』では、「置かれたところは」は、自分自身で納得できない場所であることがあります。誰しもが、人にうらやましがられながら生活したいと思っています。

人はそれぞれ違った試練を抱えて生まれてきます。育った環境が恵まれなかった人もいるでしょう。体に障害を持って生まれてきた人もいるでしょう。いじめられたり、ひとりぼっちになって息苦しさを感じたりしながら学校生活を送っていた人たちもいるでしょう。相手に向かうと言いたいことが言えない自分自身も、文章を書くことが苦手なことも、図形の問題が解けないことも持って生まれた自分自身の特性です。ここで言う特性とは、人ならば誰しもがもつできること・できないこと、苦手なこと・得意なことなどの能力の偏りのことです。

『置かれた場所で咲きなさい』という言葉は、自分自身も含めて、その人のありのままを受け入れること、そして、そのなかに可能性を見出すことが大切なことであるという意味です。自分の置かれた境遇や自分自身のつまずきをありがたく両手で受け止めてその花を咲かせ、自分自身しか作れない花束にして神にささげる気持ちを持ちなさい。どんなところに置かれても花を咲かせる気持ちを持ち続けようということを表しています。

皆さんのご両親、そして皆さん自身が選んで入学した自然学園こそ、今皆さんが置かれた場所です。この自然学園で思いっきり学校生活を楽しんでください。のびのびと、そして元気に生活してください。その中で一つずつできることが増えてくるでしょう。そのことが皆さんにとっての生きる力になります。

できなかったことや失敗したこと、うまくいかなかったことに対して言い訳をすることは、自分自身に対しても向き合わず、自分をごまかすことになります。人に言い訳することも感心できませんが、自分に言い訳することは自分に嘘をつくことであり、自分らしく生きることを自ら否定している行為です。逃げようとする否定的な気持ちは、人の気持ちを萎えさせ朽ち果てさせてしまうでしょう。

自分に正直になりなさい。自分の弱さをさらけ出しなさい。そして人の目を気にしないでやりたいことをやりなさい。

『置かれた場所で咲きなさい。』この言葉を新入生のみなさまに送らせていただきます。皆さんにどんなつまずきがあろうが、自分自身の個性として大切に受け止めながら、現在のかけがえのない時間を精一杯生きて、自分自身しかできないこと、自分自身しか歩けない生き方を選択して欲しいと思っています。】

 

―令和5年入学式式辞一部掲載―

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