[高等部通信5月号]学園長より~可能性の扉~⑤

2018年6月29日

5、おわりに

5月、6月は気候的にも精神的に不安定になる時期です。暑かったり、涼しかったりの気温の変化と晴れたり曇ったり雨降りだったりする気圧の変化に体が適応できずに、自立神経が崩れ、イライラが募り精神的に不安定なることが多い時期です。特に自然学園の生徒の皆さんの中には、小学校や中学校時代にいろいろな要因で不安が強くなって情緒が混乱して不登校を経験したり、辛い思いを抱えながら嫌々学校に登校したりした人たちがいると思います。自然学園に入学してようやく精神的に回復してきた人たちやまだ回復途中の人たちの中には、今の時期になるとイライラが強くなり、不安が高まってくる人たちもいることでしょう。毎年そうですが、6月と言う季節は、新入生に関してもようやく新しい環境にも慣れ、気が緩んでくると、皆さんの特性からくるさまざまな問題行動が強くなってきます。
実は人間関係のトラブルやクラスのもめごと、校則に違反してクラスの調和を乱すような事件が起きてくるのもこの時期が多いのです。
実際に、人間関係のトラブルやクラスの些細なもめごとは担任を通して私の耳にも届いています。そんな時期だからこそ皆さんが緊張を取り戻し自然学園で学ぶことの意味を考えてみてください。

自然学園では、授業のカリキュラムにソーシャル・スキル・トレーニングがあります。
働くためにどうしても必要とされるスキルとしてとても重要なことをSSTとして学んでいくのです。人間関係や集団生活をスムーズに送るために必要なマナーやルールまたはコミュニケーション力を高めて、相手を理解し協調できる力を学んでいきます。これから予定している7月8日、9日の南房総市大房岬自然の家における1泊2日のサマーキャンプもソーシャルスキルを育成する活動の一つです。夏休みには、企業見学会や2年以上の人たちには、企業実習がいよいよ始まる人もいます。そのためには、絶えず気持ちの安定を図り、自分自身で自分の気持ちをコントロールできる力を養わなければなりません。そして企業に受け入れられるソーシャルスキルを身に着けなければいけません。そんなことを意識しながらの1学期の残り少ない学校生活を有意義に過ごしてください。そしてもう一度、クラスメート一人ひとりを大切に思う気持ちを胸に抱きながら楽しい学校生活を送るように心がけてください。

自然学園学園長 小林浩

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