[高等部通信6月号]学園長より~可能性の扉~③-1

2017年7月13日

3、高等学校での学習について
連休が明けて、新入生は学校生活にも慣れ、いよいよ各学年とも前期学力考査の出題範囲にも重なるレポート課題を本格的に勉強に取り組まなければいけない時期になり、授業にも活気が帯びてきています。

全日制で授業に取り組んでいる通信制高校の学習センターなどの生徒は、単位認定基準としてレポート課題の提出は学力考査の受験資格が得られるための条件であり、スクーリングも兼ねた各教科の平常授業における重要な位置づけとしてレポート指導を行っています。レポートを期限内に提出するためには授業に出席することが絶対条件になります。

通信高校のレポートは高等学校の学習指導要領にあわせて学習課題が提示されているので新学習指導要領では、かなり難しい内容が含まれています。基礎学力のない生徒の皆さんにはかなり難解な課題がレポートに出題されているでしょう。

通信制高校の7割から8割は転編入生が主体になっています。新入生から通信制高校を選択する生徒の場合ほとんどが、発達のつまずきを抱えながら不登校を経験している生徒だと思います。全日制高校での毎日の登校に自信のない生徒は週に1回ないしは2回の登校で単位認定がもらえる通信制高校の学習センターでのコースを選択するケースが多いと思います。

しかし現状としては、通信制高校の授業内容に無理があり、レポートを提出できない、または学力考査を拒否して単位が取得できないケースが非常に増えていることも現状です。自然学園へ転入する生徒で言うと、以前在籍していた通信制高校では大方このような悩みを抱えていました。

自然学園では、お預かりした生徒の皆様の習熟度やつまずきを配慮した授業を実施し、授業のカリュキラムを前提とした課題が、学力考査に出題されるような配慮をしています。したがって授業内容に沿ったレポートを教科ごとに工夫しています。

だからこそ「わかる」と思える経験を積み重ね、「できた」と感じた自信に結び付いたときに学習する意欲が湧いてくるのです。

新入生の生徒の中には、中学校時代から教科者ワークなど宿題に悩み、宿題を提出できないから学校に行きたくない。試験も受けたくないと非常に学校から出される課題に神経質になり、やがては勉強そのものに投げやりになり「どうせできないからいいや」「勉強なんかやってもしょうがない」という気持ちを抱いていた人も少なくないでしょう。

本来レポートも教科書ワーク同様、視覚的な認知力が弱く、教科書を読むことや黒板の字を書き写すこと、漢字や英単語を覚えることが苦手な人たちは、自分一人で課題を解いてレポートの答えを書き込む作業は、苦手としていることの一つだと思います。まして発達障害がある子どもたちの特性として先を見通す力が弱いことによって、宿題のように決められた期限までに提出することは、そのための工程が頭に浮かばないので「いつ」「どのように」やったらよいかわからないのです。

当然自然学園では、レポートを宿題としてやらせることはありません。中学校時代の勉強の遅れを配慮にいれた授業内容をすすめていくことになります。聞くことが苦手な生徒には、必要ならば個別対応で具体的なイラストや写真をプロジェクターなどで見せながら、重要な項目を一つひとつゆっくり説明していく授業を展開していくこともあります。勉強が苦手なお子様でも、とてもわかりやすく感じてもらえると思います。黒板をノートに写すことが苦手な子どもたちに、黒板にまとめた要点を書き写させるように工夫しています。

(続く)

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