[高等部通信8月号]学園長より~可能性の扉~⑥

2016年9月9日

この条件を満たすための人材を育てるためには、1年生からキャリア教育を推進して、「自分には何が向いていて、何ができるのか。」「働くことに意義はなにか。」「働くとは具体的にはどういうことなのか」について就労体験を通しながら具体的に考えさせ、自分なりの答えが導き出せるようなキャリア学習が、3学年を通した継続的な指導で実践しています。

 2011年1月に、中央教育審議会がまとめた「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」が答申され、キャリア教育を「一人一人の社会的・職業的な自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と規定しています。そこで必要とされる4つの能力として「人間関係形成能力・社会形成能力」・「自己理解・自己管理能力」・「課題対応能力」・「キャリアプランニング能力」を挙げています。

 1つ目の「人間関係形成能力・社会形成能力」とは、「他者の価値観やユニークさを理解して受け入れる。」「異なる年令の人や異性など、多様の他者と場に応じた適切なコミュニケーションを図る」「リーダーフォローファーシップを発揮して、相手の能力を引き出し、チームワークを高める。」能力などを習得することが目標になります。
 2つめの「自己理解・自己管理能力」は、自己の職業的な能力や適性を理解して、それを伸ばそうとする能力を習得することが目標になります。
3つめの「課題対応能力」は、「職業についての総合的で、現実的な理解に基づいて将来を設計し、進路計画を立案する」「将来設計や進路実現を目指して課題を設定し、その解決に取り組む」能力などを習得することが目標になります。
 4つめの「キャリアプランニング能力」は、将来設計に基づいて今やるべき課題を理解する。」「多様な職業観、勤労観を理解し、職業・勤労に対する理解・認識を深める。」「職業生活における権利・義務や責任及び職業に就く手続き・方法などがわかる。」能力を習得することが目標になります。
以上に記した公教育でのキャリア教育の方針は、松為信雄先生の「発達障害の子どもと生きる」に記されています。
(つづく)

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