高等部通信9月号 ◎学園長より ~可能性の扉~-7

2023年10月26日

7、おわりに
9月は台風の多い季節です。台風は、気圧の変化が急激な上、移動のスピードが速いので、この時期に体調不良を訴える人が多いです。夏場によく発生する局地的大雨も、このような気象病を招きます。このような局地的大雨は、積乱雲によってもたらされます。一つの積乱雲の大きさは十数キロメートル程度なので、日本全体が表示される天気図には「低気圧」とは表示されません。しかし、積乱雲のあるところには激しい上昇気流が起こっています。上昇気流が起こっているということは気圧が低いということです。積乱雲ができれば急激に気圧が下がるので、気象病が起こるというわけです。
台風の影響で雨が多いこの時期は、体調の変化が起きやすく高等部のお子様方には、精神的に不安定になって、いつもより多動傾向が強くなり、衝動性が強くトラブルやパニック的な行動を起こしやすくなります。不安の強さや精神的な不安定さは、ある程度低気圧に関係していると言われています。

また、最初にも記述した通り、インフルエンザとコロナ感染症が収束しつつあると思いきや、各高等学校で学級閉鎖等が起きています。感染症の広まりは、文化祭も引き金になっているようです。自然学園も体育祭、『思いやり収穫祭(学園祭)』を控えているので、可能な範囲で感染対策には気を遣いながら生活してください。そうでなくとも、2学期は学校行事が多い時期でもあります。そこに試験の緊張感からの解放が加わり、クラス内でのトラブルが起きやすくなります。コロナ禍でのストレスや思春期のもやもやなど、ダブル、トリプルでのストレスを背負う可能性が高いブルーな時期をお子様方は過ごしています。

体育祭などは、感覚統合の問題や認知のつまずきがあるお子様には、非常にストレスが強まる行事になります。このような時期に人間関係のトラブルなどが重なることによって、不安が強くなり情緒の混乱を生じ、不登校やパニックなどに結びついてくることは珍しいことではありません。

高等部のお子様方は、前期学力考査の結果が出て一喜一憂している人が多いでしょう。今回思うような得点をとれなかった人たちも、後期試験につながるよう原因を把握して学習計画を見直しましょう。自信を無くすことで無気力や不安につながることがないように細心の注意が必要です。

保護者の方々はお子様方の様子の変化を見逃さないようにしてください。自然学園では問題行動や情緒の混乱の原因をアセスメントして、適切なカウンセリングや問題行動を解決するためのSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を高等部のカリキュラムに取り入れています。もし、情緒の混乱や精神的に不安定な状況があれば保護者の皆様方と連携しながら早期の解決を図りたいと思います。ご協力お願い申し上げます。

自然学園学園長 小林浩

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