高等部:1月号学園長ブログ(新春特別編集号)-3

2024年1月19日

3、2学期終業式学園長挨拶

クリスマス会の翌日は、2学期を締めくくる終業式がありました。その場で伝えきれなかった内容も含めて、高等部通信に掲載させていただきます。

『今年も引き続きロシアのウクライナ侵攻による戦争は終結の糸口が見えず戦争は激化しています。また、パレスチナでは、エルサレムにユダヤ人の王国が1948年に建国されて以来それを認めないアラブ諸国と4度にわたる中東戦争が勃発しています。第3次中東戦争以降にイスラエルのヨルダン川西岸地区を中心に国策としてユダヤ人の入植を推しすすめたことがパレスチナ問題として、今回のイスラエルのガザ地区空爆の原因にもなっています。戦争に正義などなく、犠牲になるのは子どもたちや一般市民、社会的な弱者であることが改めて現実として突きつけられる結果になっています。

また、これにより「令和の石油危機」と言われるような状況がいつ来てもおかしくない物価の急騰ラッシュが湧き上がっています。これも関係してか、今年は地球温暖化の影響で秋の平均気温が観測史上最高気温になりました。

温暖化による世界的な現象はすでに待ったなしの危機的状況に迫っていて、世界的に戦争をしている場合ではないことは明確です。SDGsは、そのために国連の総会で採択された、すべての国が2030年までに達成しなければいけない17の目標です。SDGsで使われている「持続可能な開発」という言葉にある「持続可能」とは、私たちが将来の世代のことを考えるということであり、戦争をしている場合でないことは誰もが感じていることです。人類は今まで多くの過ちを犯してきた歴史があり、その暗黒の歴史から学ぶ能力を人類は持ち合わせているはずです。人間は社会的な動物なのです。そして社会的な能力こそがソーシャルスキルなのです。

人の一番の幸せとは自己実現であり、人から認められる承認欲求が満たされている状況でしょう。そして、それらが人との関わりから得られることは、高等部の生徒の皆さんは公共の授業でも習ったことがあるでしょう。社会的な地位、名誉、プライドや財産、土地や住まいなど物理的な欲求では人の気持ちを最終的には満たすことができず、人は幸せと感じないのです。

生徒の皆さんは、どうしてもできないことがあり、そのことで他のお子様と比較され自信がなくなっている人たちが多いことでしょう。その一方で、皆さんにはできることが必ずあります。自分のできることや得意なことを突き進めれば、人から認められ人の役に立つことが必ずあります。人のためになることを愚直に継続できる人こそ、人から愛され尊敬を受け、幸せでいられる人なのです。だからこそ相手のことを考える意識を忘れないことです。そしてそのことは皆さんが学んでいるSSTの原点です。皆さんはそれぞれの課題に向き合いながら3学期からの自然学園での学習に取り組んでもらいたいと思っています。』(一部抜粋 要約)

お問い合わせはこちら